こんにちは。阿倍野区天王寺にある小室歯科・矯正歯科近鉄あべのハルカス診療所の歯科衛生士のKです。
歯磨き粉シリーズ第三弾は【知覚過敏は歯磨き粉で改善できるのか】です。
結果的に YES だと思っています。
冷たいものが歯にしみる…という言葉から始まる誰しもが見たことのあるあのCMの歯磨剤の効果は◎私も使っています(^^)/
しかし、あくまでも対症療法です。症状を軽減させるという意味ではYESです。
ではまず知覚過敏症についてのお話からさせていただきます。
冷たいものが歯にしみるのはどうしてでしょうか?
歯がしみる=虫歯 のイメージだと思われる方も多くいましたが
あのCMが流行り知覚過敏症という言葉は認知されるようになったように思います。
虫歯と知覚過敏の大きな違いは?見分け方とは?
虫歯の場合→ジーンと長く続く痛み
知覚過敏の場合→刺激を受けたときのみ短時間で痛みは治まる
簡単な見分け方です、しかし痛みがあるという症状がある限り何かしらの原因はあります。
症状がある場合には自分で判断せず必ず歯医者さんへ受診しましょう。
知覚過敏ってなに?どうしてしみる?
歯は大きく分けて エナメル質・象牙質・歯髄のお部屋に分かれています。
エナメル質は鎧のようなものでとても硬いです。
その下に象牙質があり、象牙質には無数の穴があいています。これを象牙細管といいます。
象牙質はエナメル質や歯茎に守られていますが、何らかの原因で歯茎が下がったり歯が削れてしまうと露出してしまいます。
守られてない象牙質は象牙細管を通じて刺激を受けてしまいそのまま神経をアタックします。
神経は熱い、冷たいなどの細かい感覚はなくすべて痛いととらえます。
これが知覚過敏の仕組みです。文字にすると難しいので図にしました。
(下手なのはご愛嬌ということで…。)
こんなイメージです。
刺激とは
- 甘いもの
- 酸っぱいもの
- 冷たいもの
- 温かいもの
- ゴマ、コショウ、グミなども
- 冷たい風 など
ではどんなことが原因で知覚過敏がおこるのでしょうか。
大きく分けて原因は二つです。
歯の摩耗、すり減り、かみ合わせが深い、酸う蝕で歯が溶かされている、ホワイトニングの副作用などの歯が原因の場合
歯周病による歯茎の後退、過度なブラッシング、歯ぎしりなどによる歯茎の後退
加齢による歯茎の下がりなどの歯茎が原因の場合
です。
本題へ入ります。
ではこの知覚過敏に歯磨き粉は有効なのか?
知覚過敏症の成分としてあげられるのが
・硝酸カリウム
・乳酸アルミニウム
です。(他にもフッ素などありますが知覚過敏にのみ特化した成分です)
硝酸カリウムは即効性があり、カリウムイオンとして働き、蓄積することによって歯の神経の過敏反応を抑えることで知覚過敏の症状を抑えていきます。
所謂「症状を楽にする」ような効果があります。
乳酸アルミニウムは持続性があり、刺激が伝わる道となる象牙細管を遮断することで知覚過敏の症状を抑えていきます。
こちらは所謂「神経に通じる穴を塞ぐ」ような役割をしてくれます。
よってどちらも配合されているものがいいですね。
そういった意味では市販販売は、一種類のみの配合が多いです。
当院で販売している【リカル センシティブ】
はコチラの成分二種類配合
さらにフッ素1450ppm配合と虫歯予防にも効果的
研磨剤と発泡剤が無配合なのでうがいなしでも違和感が少ないです。
(発泡剤は個人的に無意味なものだと思っているのでこれは嬉しい)
無駄を省いたシンプルな歯磨き粉です👏
当院にて販売中です🍊
過度に歯茎が下がっていると歯磨き粉の薬用成分では効かない場合があります。
この画像のようにアブフラクション(くさび状欠損ともいう)
で歯がしみている場合は歯科材料を充填するなどの処置が必要な場合がございます。
このようなアブフラクションは珍しいことではなく実際の歯科で働いていると30代以降の方の6~7割には見られます。
原因は
・かみ合わせ
・歯ぎしり
・接触癖(TCH)の力の影響
・過度なブラッシング圧
・硬い歯ブラシ
このような力が歯の一番弱いところに力をかけて歯が欠けてしまいます。
一生懸命磨いていたのにこのような結果になるのは非常に残念です。
今はプラーク(歯垢汚れ)歯石、虫歯、歯周病のみならず“力”のコントロールを重要視する時代だと思っています!
長くなるのでこれはまた別の機会にブログに書きます(^^)/
歯科の話になると話が止まらないのでまとめに入ります。
☆まとめ☆
知覚過敏に歯磨き粉は有効!
しかし有効成分二種類配合が好ましい◎
歯磨き粉頼りは×!万能薬ではありません。
今一度原因は何なのかを探るため、必ず歯科へ相談しましょう!
📞0666232401