当院でも、定期的に歯のメンテナンスにお越しいただける患者さんが増えてまいりました。
当院では、じっくりとお時間をかけて、衛生士さんが歯のお掃除をさせていただき、ご自身では磨き切れない歯と歯の間や、歯と被せ物の隙間などをお掃除するとともに、歯の磨き方などをじっくりと指導をさせていただいています。
最近、口の中の細菌の環境が、全身の体の状態に影響が及ぼすと言うことも、徐々に認知されてきているからか、お家でのメンテナンスの方法を、衛生士さんに自ら質問していただける機会も増えてきました。その時に、多く質問があるのが、1日何回歯磨きをすればいいのか、といった質問や、夜寝る前に、歯を磨くのが効果的か?といった質問です。
本日はそのようなご質問にお答えしたいと思います。
歯を磨く回数に関して
歯を磨く回数に関しては、結論から言うと毎食後、出来るだけ早めに磨く、と言うことになります。
ものを食べると、歯の周りや歯と歯の間に食べ残しが多数付着します。これが、プラークといった食べかすと細菌の塊となって付着すると、細菌が増殖しますし、食事をした直後のお口の中は、酸性になっており、相乗効果となって、歯の表面を柔らかく、溶かし出します。これが、虫歯の初期段階となります。ですので、食後できるだけ早いうちに、歯磨きをすることによって、口の酸性状態を解消し、かつ細菌を減らしていくことが大事となるのです。
もちろん矯正用の取り外し器具や、取り外し式の入れ歯等がある場合は、できることならば外した状態で磨き、掃除自体も歯磨き粉をつけないで、歯ブラシで磨いてあげ、装置の周囲の食べ残しも取ってあげることが大事です。
就寝前の歯みがきについて
寝る前の歯磨きに関しては、行った方が良いと思います。
口の中には、耳下腺、顎下腺、舌下腺と言う、大きな唾液腺が存在し、お口の中に、様々なところから、唾液を提供しています。寝ている間は、この唾液腺からの唾液の分泌量が減少して、口の中が乾きやすくなると言われています。
また、知らぬ間に、お口を開けたまま寝ていたりすることで、さらに口の乾燥が進みます。さらに、就寝中は、知らぬ間に歯ぎしりなど、お口の中の環境を悪くする要因も起こりがちで、寝る前に、できるだけ歯磨きをして、最近の状態を減らし、環境を良くしていく必要があると考えています。
歯ぎしりに関しては、ナイトガードの装着などをお勧めして、歯ぎしりによる歯への悪影響を防ぐことも出来ます。
以上のように、今回は、簡単に歯磨きのタイミングのことなどをお話ししましたが、回数もさることながら、個々の患者さんのお口の中にあった磨き方や、歯磨きの道具が必要であり、ご自身自身に最適な方法を、まずは歯科医院で、衛生士さんと一緒に、考えていただければうれしいです。