小室歯科矯正歯科近鉄あべのハルカス診療所では、本年より新しいインプラントのシミュレーションソフトを導入することとなりました。
そのソフトの扱い方を学ぶため、当院主催で、東京より、難羽康博先生にお越しいただき、プライベートセミナーを行いました。難波先生は、エグゾキャドという歯科用CADソフトの、世界トップシェアの1つであるソフトの専門家の技工士です。
著名な技工士の先生にお越しいただけるとあって、日本臨床歯科CADCAM学会の北道敏行会長や、関西東海支部役員の、TH先生、インビザラインのコールドステータス(年間150症例以上)をこなされるデジタル矯正で有名なIT先生など、院長先生の人脈から、デジタル歯科に非常に詳しいメンバーが揃い、一緒に受講いたしました。
近年、デジタル技術を用いて、インプラントや矯正など、様々な治療の分析・診断や、治療ができるようになってきました。その基本となるのが、CTを撮影して、顎骨のデジタルデータを得ること。もう一つは、口腔内スキャナや、模型スキャナを用いて、お口の中の歯並び等の状態の、デジタルデータを採得することになります。
その次に、この2つのデータを正確に重ね合わせて、特別なソフトウェアに落とし込みます。
インプラント治療への応用
インプラント治療において、すでに当院では、数種類の分析ソフトウェアを使い分けており、実際に、全ての患者さんへの説明や治療に使用してきました。しかし、最終的なサージカルガイドと言う、診断通りにインプラント埋入するための外科器具を作成する段階で、外注に頼っていました。当院には、優れた技工士や、3Dプリンターなどの人的、そして、機械設備が揃っているので、できれば自分たちで作成したいと思っていました。
このソフトを使用すると、これまで通りに、正確な分析とサージカルガイドの設計をできるだけでなく、そのデータを利用して、当院でも3Dプリンターを利用して、サージカルガイド内製できるようになります。このことによって、より、我々の思い通りのサージカルガイドを作ることができ、しかも院内で作成するため、非常に短期間で作製することができます。当院からは、小室暁理事長と、3名の技工士が参加し、じっくりと学ばせていただきました。
矯正治療への応用
歯並び矯正において、最近では、インビザラインなど、マウスピースを利用する方法が増加しています。その時、治療前から、終了後まで、詳細にシミュレーションすることが重要になってきます。このソフトフェアーは、そのシミュレーションを詳細に行うことができ、マウスピースの内製化することもできる画期的なものです。
歯牙移植術への応用
歯牙移植術とは、機能していない歯(例えば親知らず)を歯の欠損部位に移植することで機能を取り戻す治療です。その時、移植する歯の根の大きさをあらかじめシミュレーションすることができ、3Dプリンターでレプリカを作成できれば、非常に安全に、かつ効率よく、手術できます。このソフトフェアーでは、それが可能になります。
矯正治療時の、インプラントアンカー埋入への応用
矯正治療では、頻繁に「アンカースクリュー」と言う小さなネジを歯槽骨に埋入し、歯を動かす時の固定源として用います。しかし、多くの場合、歯と歯の間の非常に狭い部分に埋入するだけに、常に緊張を強いられる処置となりますが、このソフトウェアを利用すると、インプラント同様、サージカルガイドを作成できるので、より安心安全に埋入することができるので、今後積極的に応用していきたいと思いました。
このように、1つのソフトウェア上で、インプラントと、矯正を同時に、シュミレーションできるものは、ほとんどないだけに、秀逸なソフトだと思いました。このように、非常に盛りだくさんの機能を持ったソフトウェアですので、当院でも技工士と連携して、しっかりと使いこなしていこうと思います。
ところで、今回のメンバーは、非常にデジタルデンティストリーに精通したドクター、技工士たちの集まりでしたので、前日の懇親会から、終了後の反省会?まで、ずっと、デジタル歯科談義で、盛り上がっておりました。やはり、同じ志を持つ仲間と研鑽する事は何にも変えがたい成長の場となることを実感いたしました。
当院は、本年も研鑽を絶やさず、確実にその知識と技術を患者さんに還元して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。