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2020.03.07

ほっておくと怖い!大人の虫歯が招く重病解説

虫歯があるのに、めんどくさいなどの理由で通院ができていない方はしばしばおられます。特に、学生さんや、働き盛りの社会人の方ならば、虫歯の治療をついつい後回しにしがちです。

虫歯を放っておくと、虫歯が歯の中の神経まで及び、歯がしみたり、強い痛みを伴う状態になる事は非常によくあることですし、また容易に想像ができると思います。しかし実は虫歯は、その歯だけに留まらない重病になるリスクもあるのです。

虫歯だけに留まらない重病になるリスクとは

虫歯をほおって置いて、神経の炎症もひどくなると、神経が通る根管という歯の穴に細菌が増殖し、その根の先から歯が植わっている骨の中に炎症が広がっていきます。これを、根先性歯周炎と言って、根の先を抑えると痛いとか、根や歯茎から膿が出てきた、といった症状が起こるものです。これらの病気は、虫歯をきちんと除去し、根管の中の細菌をきれいに掃除してあげることで、多くの場合が改善されるのですが、この状況がひどくなると、骨中の骨髄が炎症を起こし、骨髄炎と言う重篤な病気になることがあります。そうなりますと、炎症はその歯だけにとどまらず、顎全体が痛みを伴ったり、ものを飲み込んだときに痛みが起こったり、リンパ節が腫れたりと、単に歯を治療しただけでは治らないような状況になります。また、顎の周りには、顎を動かしたり、飲み込んだりするための筋肉がたくさん存在しており、その筋肉の間は非常にたくさんの空間で満たされています。その空間の中に細菌が侵入してしまうと、さらに炎症はひどくなり、顔全体が腫れたり、場合によっては敗血症と言って、細菌が血液の中に侵入して全身に回ってしまい非常に重篤な全身の状態を伴うことになります。炎症を起こす結果、命を脅かすような臓器障害を起こすこともあります。急速に多臓器不全が進み、死に至るケースもあります。2017年に42歳で亡くなったプロ野球、西武ライオンズの森慎二コーチの死因は、溶連菌の感染による敗血症だったそうです。

基礎疾患を抱えた方は、炎症が重症化しやすい

基礎疾患を抱えた方は、炎症が重症化しやすい特に最近は、糖尿病や、慢性の腎臓疾患など、体全体の免疫の低下を伴っている患者さんも多く来院されていますので、たかが歯と言って放置できない理由はこういうところにもあるのです。そういう基礎疾患を抱えた方は、炎症が重症化しやすいからです。

もちろん虫歯自体を放置して抜歯しなければいけなくなった場合、噛み合わせ自体が知らず知らずのうちに難しくなり、ついつい食べやすい食べ物に食生活が偏りがちになり、糖尿病や腎疾患といった全身疾患の引き金になることもあります。

まとめ

ですので、どれだけ忙しい時にでも、まずは歯の治療だけでも歯科医院の方で受けて置かれることをお勧めするのです。

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