いつも、他の人と同じように、定期的に歯のクリーニングに来ているのに、どうしても虫歯になりにくい人がおられます。逆に、長い間全く歯医者に来ていないのに、なぜか虫歯が1本もない人がいます。この違いはどうして起こるのでしょうか?
もちろん、おうちでの歯磨きの仕方や、歯ブラシの回数により、虫歯になりやすい人、なりにくい人というのは現れると思われますが、実際には、しっかりと歯磨きをされている方でも、虫歯になってしまわれる方は多くおられます。多くの場合、虫歯は、生活習慣のほか、歯並びや、もともとの歯の質、また唾液の性質、生まれ持った虫歯菌の種類によっても、なりやすさが変わるのです。
歯並びが悪い方は、どうしても歯と歯の重なった部分が、歯磨き不足になり、虫歯になりがちです。そのような方は、歯磨きの時に、デンタルフロスなどを使い歯と歯の間の清掃も併用されることをお勧めします。
もともと持って生まれた歯の質は、残念ながら大きく変える事は難しいかもしれませんが、日々の歯磨きの時に、歯磨き粉にフッ素の含有量が多いもの(歯科医院で購入できます)を使ったり、フッ素ジェルを塗布することで、歯の表面のエナメル質の石灰化を高め、虫歯になりにくい歯の質を変化させていく事はある程度可能かと考えます。
また、唾液ですが、唾液にはその方の持っている唾液の量や、唾液の質(ねばねば唾液か、さらさらの唾液か)によって、大きく虫歯になりやすさが変わってきます。年齢によって、唾液が出にくくなる方も多くおられます。そのような場合は、唾液腺をマッサージしたり、ガムを噛んだりすると、唾液が出やすくなりますので、歯科医院による指導もさせていただいております。
生まれついての虫歯菌ですが、虫歯菌と一口に言っても、悪性度の強いタイプと、悪性度の弱いタイプがあることがわかってきました。そして、どのようなタイプの虫歯菌がお口の中に住み着くかは、大体1歳半位で決まってしまうと言われているようです。一旦決まってしまうと、虫歯菌の種類が変わる事はないとされています。
唾液の量や、虫歯菌の種類については、歯科医院でも簡単にチェックをすることができます。現状、虫歯菌の種類を変えたすることができず、また唾液の種類も、根本的に変えることができませんが、やはり現状を知った上で虫歯対策をすると言う事は大事ですので、唾液検査、虫歯菌の検査などを行い、当院ではその状態に適したブラッシング対策をさせていただいております。