最近、当院の出身の相談で多いのが、マウスピースを使っての、矯正治療のお問い合わせです。
マウスピースを使っての矯正は、一般のワイヤーを使っての矯正と違って、ワイヤーが見えずに見た目が非常に良く、手軽に取り込めるイメージがあるので、最近患者さんにも非常に人気があります。
また、コンピューター上で、治療終了後のイメージをシュミレーションしてお見せすることができるので、それも患者さんに人気の理由の1つと考えています。
当院では、主にインビザラインと言うマウスピース矯正のトップブランドを使用しています。このマウスピース矯正は、治療前のシュミレーションが非常に正確になされることが特徴だと言われています。マウスピース矯正のダントツのトップブランドである故に、これまでの患者さんのデータが蓄積されており、そのデータをもとにAIを利用して精密な治療計画を立てれるようになっているようです。
また、マウスピースの素材も、3Dプリンターを利用している、最新の素材を使っているため、他には真似をできない装着感と、歯への力のかけ方ができると言われています。また、来年からは、インビザゴーと言う、前歯だけなど、ちょっとした小さな矯正に使えるインビザラインを導入し、その分患者さんにも、費用的には安く提供できるようにする予定ですので、大いにご利用いただければ幸いです。
ところで一方、最近では非常に簡単にマウスピースができるシステムや、極端な話、歯医者さんに行かなくても、ご自身でマウスピースを作り矯正ができるような商品も出てきているようです。このシステムでは、患者さん自体が治療ゴールを歯医者さんと詳しく設定せずに行うため、思ったようなゴールにたどり着けなかったり、歯のまわりの骨や、歯の根の形を無視した無謀な治療計画になり、歯の根が痩せてしまったり、歯茎が大きく痩せたりしてしまうなどのトラブルにもつながりやすいと考えています。
また、そもそも歯並び矯正は、歯の大きさに対して、顎の大きさが小さい場合に必要なケースが多いため、前もって矯正をする前に歯と歯の間をほんの少し削り、歯を細くする必要があるのですが(ディスキング)、当然、患者さんではそれができないため、多少出歯な感じになりやすいのではと思っております。
ですので、歯並び不正が複雑であれば複雑であるほど、面倒でも歯医者さんに通院いただき、しっかりとご相談していただいてから治療を進めることをお勧めします。
矯正器具が簡単になったからといって、決して治療自体も簡単に治るようになったわけでは無いのです。
2019.12.22