小室暁医師は、大阪市の天王寺中学校の学校歯科医をしております。天王寺中学校生への歯科啓蒙活動の一環として、学校が定期的に発行する健康便りに投稿しております。その一部をご紹介いたします。
あべのハルカスと、歯の治療、その共通点とは?
天中生の皆さん、こんにちは。小室歯科近鉄あべのハルカス診療所の小室暁です。
今年から、来年にかけて、我々の阿倍野は大きく変わりますね。
そうです、駅前に、日本一の高層商業ビル、あべのハルカスが誕生します。すでに、当院が入居している近鉄百貨店は、一部先行オープンしています。来年の3月には、ホテルや展望台もオープンしますし、本当に楽しみですね。
さて、このあべのハルカスですが、5年ほど前から旧館のたて壊しが始まり、すべて躯体(外枠)が出来上がったのは、やっと今年になってからです。皆さんの中にも、この過程をご覧になっていた方がいるかもしれません。もちろん、私は当事者として興味深く見ていたのですが、壊してから立つまでで一番時間をかけていたのが、建物の基礎工事だったように思います。基礎工事は、ビルが倒れないように、しっかりと地面の中に土台を作るきわめて大事な工事のことですが、いざ出来上がってしまうと、全く見ることが出来ません。しかし、地上300メートルにもなるビルともなると、非常に慎重に、時間をかけて行われたことが容易に想像できます。
我田引水になりますが、歯に関しても、同じことが言えるのです。歯は、大きく分けて、骨の中に埋まっている“根”の部分と、歯の肉の上に出ている部分に分けられます。虫歯などで、大きく歯が欠けてしまった場合、まず、歯の根から治療するのですが、丁寧に、場合によっては時間をかけてやらないと、せっかく歯を治しても、しばらくたつとまた炎症を起こしたり、折れたりするのです。ですので、あまり目に見えない部分ではありますが、歯の根っこの治療には、私は気を特に使っているのです。
建物でも、歯でも、あるいは、皆さんの勉強でも?基礎は大事なのだと、改めて感じさせられますね。