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2006.03.01

唾液の働き

小室暁医師は、大阪市の天王寺中学校の学校歯科医をしております。天王寺中学校生への歯科啓蒙活動の一環として、学校が定期的に発行する健康便りに投稿しております。その一部をご紹介いたします。

唾液の働き

今回は、みなさんがいつもなにげなく出しているつば(唾液)のお話をします。みなさんは、唾液が消化のために大事な働きをしていることはよくご存知だと思います。しかし、最近唾液の研究が進み、消化以外にも、唾液が口の中で不思議で様々な働きをしていることが分かってきました。虫歯や歯周病から歯を守る働きも、そうした唾液の働きのひとつなのです。歯の表面に酸を作る細菌のかたまり(プラーク:食べかすのことと思って頂いていいです)があると、飲食の度にプラークが酸性になって、歯の表面を溶かします。この時、唾液の酸を中和する働き(緩衝能)が強く働くと、プラーク中の酸性度が弱まり歯が溶かされずにすみます。たまに、歯磨きや食事の管理がいい加減なのに、まったく虫歯のない人に出会いますが、このような人の多くは、唾液の緩衝能が抜群で、しかも唾液の量が多い人です。作られた酸をあっと言う間に唾液で処理してしまうので、歯の溶ける暇がないのです。反対に緩衝能のよくない人では、酸の働きが持続するので、歯が溶かされてしまいます。口の中をよく観察すると、虫歯になりやすい部位、なりにくい部位があります。なりやすい部位の特徴は、唾液の流れが悪く、唾液の影響を受けにくい場所と一致しています。鼻が悪いために、口で呼吸をしている人は、前歯の表側がいつも乾燥しているので、前歯が虫歯になる率がぐんと高まります。虫歯がひどくてよく咬めない人は、咬めないことで唾液の分泌も悪くなり、虫歯の進む速さが加速します。唾液が口の中の隅々まで流れていることが、口の中の健康を保つ秘訣なのです。
また、よく噛んで食事をすることで、消化を助けるだけではなく、唾液の分泌がよくなります。ですから、”よく噛む”ことは口の中の健康を守ることでもあるのです。

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