小室暁歯科近鉄あべのハルカス診療所では、大阪市内の特別養護老人ホームで、入居者向けに口腔ケアーや簡単な歯科治療をしております。また、施設のスタッフの方、入居者のご家族の方に少しでも口と健康についての情報提供をするため、施設長様が定期的に発行されている施設長便りに投稿しております。その一部をご紹介いたします。
8020運動
いつも口腔ケアーでお世話になっております。小室歯科近鉄あべのハルカス診療所の小室暁です。
このコラムを投稿させて頂くのは久しぶりになりますが、今回も少しでもスタッフの皆さんのお役にたてればと思います。
突然ですが、成人は、親知らずも含めると32本の歯があります。皆様は、この歯が八十歳になった時、何本残っているだろうと予想されますか?また、入居者様の中にも80歳を超える方が多くおられると思いますが、その方の歯は、何本残っているか、ご存知でしょうか?
わが国では、8020運動(はちまるにまるうんどう)という歯科に関する運動が展開されており、満80歳で20本以上の歯を残そうとするものです。ですので、この数字は、非常に注目されるのです。
最近、歯科についての全国調査があり、80歳で20本の歯が残っている人の割合が34%であるという結果が出ました。6年前の調査結果が、大体27%くらいですから、それを大きく上回る大きい改善です。50%を超えるのは70代前半、70%だと60代後半、50代後半なら85%です。この数字を拝見していると、あと15年もすれば、8020は当たり前になって、数字そのものを変更しなければならないかもしれません。
実際、普段より患者さんを拝見していて、若い年代ほど歯を大事にされていて、悪い歯の数が少なくなっているのを実感します。また、歯がしっかりしている人ほど、若々しく見える気もします。しかし、入居者様のお口の中を拝見していると、歯が残っているといっても。根だけで残っていたり、かみ合わせる相方の方の歯がなかったりしますので、今後とも、”残っているだけではなく、咬める”状態を少しでも作っていけるよう、微力ながらお手伝いしていきたいと思います。