先日、当院の地域連携の事務の増澤が、第二種感染症管理者の資格を受けるための研修を受け、試験を受けました。そして、無事合格いたしましたので、ご報告します。
現在、まだまだ日本国内では、新型コロナウィルスの感染が収束を見せていません。我々も、ウイルスが完全にいない世界が実現するわけでもなく、この新型コロナウィルスとも、撲滅するよりも、共存すると言う立場での、新しい生活様式や、歯科医院においては、治療体系が求められているのだと思います。
しかし、歯科医院は昔から、虫歯や歯周病といった、細菌を相手に治療を行っていたため、これまでも感染・滅菌対策に関しては、通常よりはるかに高い意識で行っておりました。また、当院では、これまでもご案内しておりますように、特に滅菌関係には力を入れ、治療に取り組んできたつもりです。
当院の、これまでの感染管理について見直し、さらに今後ますます重要になるこの分野について、体制強化を図る意味で、有資格者を、医院に常駐してもらうこととしたのです。
歯科領域で特に問題となる病原微生物(代表的ものなのはHBV(B型肝炎ウィルス)・HCV(C型肝炎ウィルス)・HIV(ヒト免疫不全ウイルス))などがあり、タービンによる切削や超音波スケーラーの使用による血液・体液の付着や飛沫に触れるリスクが高いため、一般の医療診療所以上に感染対策を要求されているのです。感染予防のために、日ごろから手指消毒や手洗いなど手指衛生の遵守、防護具の着用、適切な医療機器の処理・再利用、環境面の管理などを徹底する必要があります。
「第二種感染症管理者」とは医療法で義務付けられている「医療安全の確保」「院内感染対策」「医療品安全確保」「医療機器安全確保」について、定期的な見直し改定、年2回の院内研修の実施と管理、マニュアル作成などを推進するために必要な知識を習得し、感染症対策等の院内感染防止対策に係る研修を修了した常勤医師のサポートをするものです。
スタッフの防御意識、院内の環境因子の把握、医療器具の処理などを日常業務の中で情報収集、改善の提案を行い、研鑽を積むことで上位認定資格である「第一種感染症管理者」を目指していただこうと思っています。
また、新しく得たこの知見を、今後院内の勉強会等で、全員に伝えていっていただきたいと思っています。
また、先月末の医院全体の勉強会では、当院の衛生士アシスタントの有志が、現在の感染防御対策から、さらにできる事はないかとミーティングをしてくださり、様々な新たな発案がなされました。当院は、かなり熱心に感染防止に取り組んでいるつもりですが、みんなで知恵を出し合いれば、まだまだあるのだなぁと感心しましたし、今月早速実行に移しております。新しく仕組みや機器を導入する、できるだけ既存の仕組みを簡略化する、それでいて、感染防御レベルを下げない。
高いハードルですが、スタッフの為、患者さんの為、今後とも挑戦していきたいと思います。