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2024.12.05

「小児口腔機能発達不全症」をご存知ですか?

「小児口腔機能発達不全症」をご存知ですか?

当院では、「マイナス1歳から最後のワンスプーンまで、口を通して患者さんに寄り添う」というミッションのもと、すべての世代の患者さんに対して総合的な歯科医療を提供しています。その中でも、近年小児の患者さんへのケアには力を入れています。長く続く人生、その入り口が、小児の患者さんへのアプローチだと感じているからです。
小室歯科近鉄あべのハルカス診療所は、創業82年。どちらかというと年齢層高めではありますが、もちろん小児歯科患者さんのケアも怠ってはいません!
本年は、小児歯科の知識、およびケアシステムのブラッシュアップを通じて、小児患者さんへの対応をより強化していきました。本日は、その取り組みをご紹介します。

小児の口のケアの重要性

お子さんの歯の健康は、将来の全身の健康や生活の質に大きな影響を与えます。定期的な口腔チェックや虫歯治療に加え、口腔機能の健全な発達をサポートすることが、健やかな成長の土台となると考えています。最近、注目されている「小児口腔機能発達不全症」もその一つです。この症状は、噛む、飲み込む、発音するなど、口腔機能に影響を与える発達の遅れや不全を指します。早期発見と適切なトレーニングにより、子どもの将来的な健康問題を防ぐことができます。

「小児口腔機能発達不全症」とは?

「小児口腔機能発達不全症」とは、噛む、飲み込む、話すといった基本的な口腔機能が正常に発達しない状態を指します。この症状は、早期に適切な対策を取らないと、将来の健康や生活の質に影響を及ぼす可能性があります。

主な症状

小児口腔機能発達不全症には、以下のような症状がみられることがあります。

咀嚼(そしゃく)の問題

食べ物をうまく噛めず、丸呑みすることが多い。

嚥下(えんげ)の問題

飲み込む際にむせやすい、または異常な舌の動きがある。

発音の問題

正しい発音ができず、言葉が聞き取りづらい。

口呼吸

口を閉じられず、鼻呼吸ができないことが多い。

これらはなぜ発生するのか?

この症状の原因には、いくつかの要因が考えられます:

  1. 生活習慣の影響
    柔らかい食事ばかりを摂取することが多い場合、咀嚼力が発達しにくくなることがあります。
  2. 口腔内の形態や癖
    指しゃぶりや舌突出癖、反対咬合(受け口)などが影響する場合があります。
  3. 全身の発達遅延
    体全体の筋力や運動機能の遅れが口腔機能にも影響することがあります。
  4. 環境要因
    食事の時間が短すぎる、ストレスが多い家庭環境などが原因となることもあります。
発達不全症が与える影響

小児口腔機能発達不全症は、放置すると以下のような問題を引き起こす可能性があります。

栄養不足

噛む力や飲み込む力が弱いと栄養バランスが崩れやすくなる。

歯並びへの影響

舌や唇の癖が歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。

社会性の発達への影響

発音の問題がコミュニケーションに影響し、自己肯定感の低下につながることも。

当院の取り組み

当院では、小児口腔機能発達不全症の早期発見と適切なケアに力を入れています。具体的には、以下のような取り組みを行っています。

  1. 乳定期検診でのチェック
    定期検診の中で、噛む力や飲み込む動作、舌や唇の使い方を観察します。発達不全の兆候が見られる場合は、専門的な検査を行います。
  2. トレーニングプログラム
    お子さん一人ひとりの状況に合わせたトレーニングを提案します。
    たとえば:
    咀嚼力を高める練習: 硬めの食品を噛むトレーニング
    舌や唇の運動: 舌を特定の方向に動かす練習や、発音の練習
    正しい嚥下方法の指導: 飲み込み方の改善
  3. 多職種連携
    当院には歯科衛生士や管理栄養士が在籍しており、食事のアドバイスや生活習慣の改善についてもトータルでサポートします。

ご家庭でできること

ご家庭でも以下のようなことを意識することで、お子さんの口腔機能発達をサポートできます。

  • 食事環境の見直し: 家族でゆっくりとした時間を確保し、噛むことを意識した食事を用意する。
  • 悪習癖の改善: 指しゃぶりや口呼吸を改善するための習慣作り。
  • 歯磨き習慣の徹底: 正しいブラッシングを指導し、虫歯を予防する。

仲野和彦先生によるご講演

本年は、大阪大学小児歯科学教授である仲野和彦先生をお迎えし、小児歯科治療の最新情報や実践的なアプローチについて講演いただきました。この学びを通じて、当院のスタッフ全員が小児医療に対する理解を深め、さらなる質の向上を目指しています。

システムのブラッシュアップとチーム医療

また、小児口腔機能発達不全症に関する検査やケアについては、勉強会やスタッフ間のミーティングを重ねながら、日々システムの改善を図っています。
現在、管理栄養士のNさんを中心に、管理栄養士、TCなどを含めたチームが立ち上がっており、毎月、ミーティングを継続してくださっています。
私たちの目標は、一人ひとりの子どもが笑顔で成長し、健康で豊かな未来を迎えられるよう、チーム一丸となってサポートすることです。

これからも地域の皆さまと共に歩み、子どもたちの健やかな未来を支える歯科医院として邁進してまいります。
ぜひ、お子さんの歯やお口に関して気になることがあれば、当院までお気軽にご相談ください。

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