先日のブログでは、先日行われた日本臨床歯科CADCAM学会の関西支部例会に参加したお話をさせていただきました。
昼食を挟んで後半は、衛生士による医院でのデジタルの活用についての発表でした。当院の松江衛生士も当院での取り組みを発表してくれました。現在、歯科医院でのデジタルの活用は、診療においての活用と運営についての活用において広がっています。治療においては、イントラオーラルスキャナを利用して、口の中情報を光学印象によってデジタルデータ化を行うことで、矯正やインプラントなどに、有効に活用することができます。デジタルデータ化することにより、患者へのカウンセリングや、治療のシュミレーションに活用され、より安心安全な治療につながると考えています。
運営おいては、カウンセリングや患者管理、会計など、様々な場面でデジタル技術が活用され、衛生士のみならず、トリートメントコーディネーターや歯科助手など、様々な職種がデジタル技術を理解することが必要になっています。
他院の衛生士さんもイントラオーラルスキャナを利用した衛生士指導の実例やマイクロスコープを使用した衛生活動など、積極的にデジタル技術の活用を発表され、非常に頼もしく思いました。
その後も京都府で御開業の久保田務先生により、イントラオーラルスキャナの使用方法について詳しく説明をいただきました。イントラスキャナを利用しての治療の恩恵を最大限得るためには、まずは、アナログでの治療についての知識や技術が必要だと言うことを、再確認することができました。
同じく、京都にて御開業の技工士である前川泰一先生には、お口全体にわたるCADCAMの補綴治療についてご教示いただきました。お口全体の治療を行うには、噛み合わせ、顎の運動まで考慮し、歯型や噛み合わせを記録することが非常に重要です。しかし、人間の体は非常に複雑なため、それはアナログの時代から永遠の課題となっていました。今回の講演では、アナログ時代からの、複雑な咬合理論を、いかにしてデジタルデータに置き換えるかと言う課題について、非常に詳しくご教示いただき、まさに、デジタル補綴の現在の到達点をご教示いただいきました。
当院でも今後、顎運動をデジタルデータに記録する装置を導入予定です。10年ほど前は、1本単位での被せ物や詰め物を作ることが主流だったCADCAM治療は、当院でも今や顎運動や、3D顔面データ、CTデータなどを重ね合わせて、総合的に審査診断し、かぶせもだけでなくサージカルガイドや義歯など、様々なものを作る時代に突入しようとしています。まさに、今回のテーマである未来の可能性に思いを馳せながら、今回の支部会を終了いたしました。
終了後は、講師の飯田先生や久保田先生、前川先生と懇親会にて懇親を深め、情報交換をさせていただくことができました。衛生士さん達も懇親会20人ほど参加され、同年代の方も多く、非常に楽しく時を過ごされたようです。
支部会は、全国大会とは違う、地域に根ざした、温かみのある運営が出来る場であるといつも感じます。
12月には、全国大会も行われます。
当院では、今後とも積極的に学会活動へ参加することにより、最新の情報を取り入れ、デジタル歯科のフロントランナーであり続けるよう研鑽を続けたいと思っています。