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2024.03.08

国際がんセンターでの病診連携セミナー

国際がんセンターでの病診連携セミナー

あっという間に、3月になりました。本年は全体的に暖かいものの、寒暖の差が激しく、体調管理が難しい日々が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか

こんにちは。理事長の小室暁です。
先週末、大阪国際がんセンター主催の病診連携セミナーにて、講演をさせていただきましたので、ご報告いたします。

大阪国際がんセンターは、私の大阪大学での後輩の石橋美樹先生が歯科部長をされております。年に1度、周辺の歯科、病院、医科、コデンタルなどを対象に病診連携セミナーを行っておられます。
本年度は、”がん治療における栄養管理を再考する〜医科歯科連携の観点から”と言う大テーマのもと、がんセンター歯科の歯科衛生士、歯科医師.医師、それぞれの立場から栄養管理について講演をいたしました。
私は、”歯科から始める栄養管理~開業医の立場から”、と言う題名で講演をさせていただきました。

当院では、−4歳から最後のワンスプーンまで、患者に寄り添う、と言うミッションのもと、1人の患者さんの人生に口を通して一生寄り添う事を目標としています。
基本は、衛生士さん等による、歯周病やプラークコントロールになります。しかし、必要に応じて、一般歯科治療はもちろん、矯正治療や、インプラント、訪問診療など、プロフェッショナルな治療介入も、それぞれの分野の指導医・専門医・認定等を介して行える体制を整えています。
しかし、最近では、口腔機能低下症やフレイルといった、歯科として着目すべき新たな分野が注目されています。そして、これらの状態の管理には、管理栄養士の活躍が重要で、当院では数年前より管理栄養士を複数名採用し、患者の栄養管理をより専門的に行えるような体制を模索しています。
今回は、我々の医院での管理栄養士の活用と、その問題点について講演をいたしました。

フレイル、またはオーラルフレイルとは?

日本歯科医師会の、歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアルによると、フレイルとは、加齢に伴い、心身の機能は徐々に低下し、虚弱に傾きながら自立度低下を経て、要介護状態に陥っていきます。こうならないための予防意識を高めるためのキャッチフレーズと定義されています。この特徴は、フレイルの状態は、要介護の前の段階で、また元通りに戻せる状態であると言う事と、社会的や心理的、あと身体的と言う形で、本当にいろいろな側面から捉えられている状態であると言うところにあります。特にまだ、元に戻せる、と言うところが我々歯科医院としては重要な点と考えています。患者さんが、要介護状態になるまでに、フレイルの予防として、栄養状態を改善してあげる事は、非常に重要なことだと思っています。
また、オーラルフレイルとは、老化に伴う様々な口腔の状態(歯数・口腔衛生・口腔機能など)の変化に、口腔健康への関心の低下や心身の予備能力低下も重なり、口腔の脆弱性が増加し、食べる機能障害へ陥り、さらにはフレイルに影響を与え、心身の機能低下にまで繋がる一連の現象及び過程。つまり、口から始まってフレイルが起こりますよと言う1つのキャッチフレーズと言う風な位置づけになります。

口腔機能低下症とは?

一方、口腔機能低下症は、保険でも収載されているような検査を行って、診断する疾患名ですので、まずオーラルフレイルと言うような言葉を用いて、ある程度患者さんに認識していただいた上で、その後検査につなげてを行った結果病名がつくことなります。

メタボ予防について

成人においては、栄養摂取型による、メタボリックシンドロームの予防のための、栄養管理が重要となります。時に、歯の欠損によって、咀嚼がしにくく、食事が偏ると、肥満や、糖尿病など、生活習慣病の原因になることがあります。歯科では、その証拠を見逃さず、義歯やインプラント、一般治療によって、咀嚼能力の改善を行う必要がある場合もあります。

若年者の口腔機能低下症について

最近、執行前の子供や、小学生など、若年者において、口腔機能が低下することによって、食べる力、飲み込む力が低下しているケースが目立っているようです。本人や親御様でも、あまり気づかない場合もあるので、歯科でのチェックが必要とされています。

乳幼児の、離乳食について

最近、当院でも、管理栄養士や衛生士による離乳食教室を開催しています。非常に参加者が多く、乳幼児の離乳食について、まだまだ情報不足であると感じますし、専門的な発信を、今後とも続けていきたいと思っています。
当院では、あべのハルカス近鉄本店8階のまなぼスタジオや、1時、ひつじベビー&キッズクリニックなどで定期的に教室を開催しています。

以上のように、栄養管理には、それぞれのライフステージにおいて、様々なアプローチが必要とされていることがわかります。当院では、管理栄養士が、それぞれのライフステージに合わせた取り組みを行っていますので、取り組みについて具体的にご紹介いたしました。
院内での栄養管理、院外での地域連携活動の具体例について詳細にお伝えしました。院内と院外の活動は、決してバラバラではなく、それぞれの経験が、もう一方に生かせると言う、良い循環を作らなければいけないと言うことも、強調いたしました。

最後に、当院の管理栄養士が、昨年設立してくださった、阿倍野天王寺認定栄養ケア・ステーション、ワンスプーンについてもご紹介いたしました。当院と別個の枠組みを作り、動いてくださることで、病院や歯科医師、その他の介護関係の人たち、行政など、様々なつながりを持つことができると考えています。
患者さんは、病院では、NST(栄養サポートチーム)による手厚い栄養管理を受けることが多くなりました。しかし、いざ退院され、在宅での療養となると、管理栄養士も少なく、またいたとしても、引き継ぎが難しく、まだまだ十分な栄養管理が得られていないケースが多いように思われます。
我々の取り組みを少しでも多くの方に知っていただき、地域で取り組むNSTのようなものが作れれば、良いのではないかと言うちょっとした理想もお話しさせていただき、講演を閉めさせていただきました。

今後は、歯科において管理栄養士が活躍する機会が今後ますます増えると思われます。しかしながら、経済的な裏付けや、地域との連携など、まだまだ課題も多く残されていると思います。
当院では、管理予算栄養士と、今後ともディスカッションを行い、院内、院外ともに歯科から始める栄養管理を充実させるように努力していきたいと思っています。

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