こんにちは、理事長の、小室暁でございます。
あっという間に師走に入り、当院の入居するあべのハルカス近鉄本店も、すっかりクリスマスモードとなっております。
皆様も慌ただしくお過ごしのことと思います。
さて、
12月2日3日、横浜にて、“DXイノベーション〜チームでつくる次世代CAD CAM治療、と言うテーマにて、私が副会長を拝命しております、日本臨床歯科CADCAM学会、第9回学術大会が開催されました。
当院からは、私と歯科衛生士のMさん、トリートメントコーディネーターのOさんと一緒に参加させていただきました。
当院がセレックと言う次世代CADCAM治療を取り入れて、早くも10年になります。導入した当初は、セレックのイントラオーラルスキャナで光学印象を行い、そのデジタルデータを利用して、かぶせ物や詰め物を作成する。そのような単純な使い方が主流でした。
このことだけでも、これまでは使用が難しかった、セラミックを自分の医院で加工することができるようになりました。そして年を追うごとに使用できるセラミックの種類が増え、非常に患者様に好評を博しておりました。
しかし、この分野の時代の流れは凄まじく、セラミック材料の中に、ジルコニアと言う強い力がかかる奥歯にもブリッジにも使用できるような次世代材料が登場しました。それに伴い、セレックだけでなく、アマンギルバッハ社のセラミルを導入して、複雑なセラミック技工も院内で作成出来るような体制を整えました。2020年からは、アイテロと言う、現在も主力として使用しているイントラスキャナーを導入しました。これにより詰め物やかぶせ物だけではなく、歯列矯正や、患者さんへのコンサルテーションなど、非常に多くの場面での使用が可能となりました。
それだけでなく、初期はドクターや技工士だけが使用していたCADCAMを、衛生士さんやトリートメントコーディネーターも使いこなしてくださる時代になりました。
これは、何も当院に限ったことではなく、この10年で日本のデジタル歯科が、より多くの種類のデジタルデータを使用して、より多くのことを出来るようになり、かつドクターだけでなく、コデンタルも含めたチーム全体として使用する時代となった、と言うことに他なりません。
イノベーションとは、変革と言う意味ですが、ここ数年間我々を悩ませ続けた新型コロナウィルスも、これを機会に院内のデジタル化をより促進することを考える機会にもなりました。促進するためのクラウドサービスやネットサービスの提供も進みました。
このことは、ちょうど今回のDXイノベーションに沿った内容かと思われましたので、私もスタッフセッションにて衛生士のMさんとともに講演もさせていただきました。
今回の学会では、まさに次世代のイノベーションといえる、AIについて、第一線の研究者や、技工士をお呼びして、深く学ぶ機会を得ることができました。また、そのセッションを統括する立場として、演者の先生方と深くディスカッションする機会も得ることができて、非常に大きな財産となりました。
演者のおひとり、エミウム株式会社代表取締役稲田雅彦先生によりますと、AIの進歩は、基本となる教師データと、それを処理するPCの能力の急速な増大により、想定よりずいぶん早く進歩しているようです。AIを使用した義歯作成や被せ物の作製の自動化も想定より早く実現できるのかもしれないと、今後の展開に大いに期待を感じました。一方、データのセキュリティーなど、安全面が追いついていくのだろうか?個人情報の海外流出についての備えは、どうなのだろうかなど、大きな観点から、CADCAMを考えさせられる機会にもなりました。
また、いつもご講演、あるいはプライベートなセミナーでも、お世話になっている伴清治先生にも、もはや恒例となった、ジルコニアの進歩についての話も聞くことができたり、他の医院のCADCAMについての取り組みを聞くことができたり、北道敏行会長の素晴らしいプレゼンテーションを伺うことができたり、非常に充実したひとときを過ごすことができました。
なにより、全国から仲間が集まり、対面にて楽しみながら、非常に良い情報交換の時間も得ることができ、歯科におけるデジタル診療が、コロナ時代に培ったDX技術を用いて、今後とも、さらに加速度的に発展していく確信を得ることができた二日間でした。
ところで、本年は、新型コロナウィルスの規制が緩やかになったこともあり、日本口腔インプラント学会を始め、日本臨床歯科CADCAM学会、日本老年歯科学会、日本矯正歯科学会など、様々な学会や勉強会にドクターのみならず、スタッフも共に研鑽をする機会を得ることができました。今年は、研修医の先生にも学会に参加していただく機会ができたことも嬉しいことの1つでした。
本年、スタッフとともに出席する学会はこれにて終了ですが、来年も積極的にチームとして、歯科の知識を研鑽して患者さんに還元できるように努めたいと思っています。
私は、学会関係で、まだ後最低2回は出張があるのですが、体調に気をつけて年末まで走り続けたいと思います!笑。