皆様、いよいよ、夏本番になって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか?
こんにちは。理事長の小室暁です。
7月16日。私が副会長を務めさせていただきます、日本臨床CADCAM学会の合同支部会、通称夏フェス、が大阪にて行われました。
ようやく新型コロナウイルスによる行動制限がなくなり、全国から自由に仲間がやってきてくださる、合同支部会。合計150人余りの会員がリアルにて出席して、丸1日現在のデジタル歯科についてしっかりと学びました。当院からは、私と、歯科衛生士のM、トリートメントコーディネーターのOが参加いたしました。
この学会は、歯科医師、歯科技工士、研究者、教育者、産業界の関係者など、CAD/CAM技術に関心を持つ専門家や関係者が参加しています。学会では、CAD/CAMを利用した歯科治療に関する最新の研究成果や臨床技術の情報を共有し、技術の発展と応用の促進を図ることを目指しています。
デジタル歯科を私の診療の主な専門分野としている私としては、毎年多くの仲間と交流できるこの学会は欠かせないものとなっています。
今回は、最近、デジタル技術を使った歯科分野の中で、大きく注目を集めているアライナー矯正を中心とした、デジタル矯正について歯科医師、衛生士、歯科助手など、様々な切り口から講演がありました。新渡戸康希先生と、吉住淳先生にご相談いただきました。新渡戸先生は、アライナー矯正を行うにあたっての写真から終了までの実際的な話をして頂きました。吉住先生は、当院と同じ様に現在、アライナーのみならず、ワイヤー矯正についても、デジタル技術を駆使をされています。現在の取り組みの最新情報と、先生が定期的に出張し学んでおられるアメリカ矯正学会での今後のデジタル矯正の潮流についてお話し頂きました。現在、アメリカでは、インビザラインなどの、メーカーに外注するアライナーだけでなく、自院で歯の動きを分析し、そのソフトウェアのデータを使い、3Dプリンターを利用して、オリジナルのアイライナーを作って治療する、いわゆるインハウスの歯列矯正が盛んになりつつあるようです。インプラント分野でも、手術をするときに、使用するサージカルガイドを、外注するのではなく、自院で分析をした上で、院内で3Dプリンターで作成すると言うことを、当院でも行っております。全く同じ考え方が、矯正歯科でも進みつつあることを、理解いたしました。
また、衛生士やスタッフ分野では、私が定期的に交流をさせていただいている、穴沢有沙衛生士が講演されました。衛生士やスタッフ向けに、アライナー矯正についての講演をわかりやすくしていただきました。さらに、知識を深めるための、アライナー矯正認定試験も行われ、当院からも、M衛生士と、Oトリートメントコーディネーターが挑戦いたしました。結果は、見事に合格、今後の矯正治療のカウンセリングにぜひ生かしていただきたいと思っています。
この学会では、その他、神奈川歯科大学の板宮朋基教授がVR技術の応用についてお話しくださいました。
また、技工士セッションでは、学会でいつもお世話になっており、当院にもプライベートでセミナーもしてくださった技工士である、難羽康弘先生にも登壇いただき、デジタルを利用した技工の今後の見通しについてご講演頂きました。
そして、何より特筆すべき事は、会員発表において、当院のM衛生士が発表され、非常に高い評価を受けていたことです!
デジタル矯正について、初心から、治療終了まで、アライナー矯正に限らず、ワイヤー矯正に至るまで、いかに当院がデジタル技術を使用しているか、またデジタルを使用することによって、矯正治療において、衛生士が活躍する場面がいかに増えるかについて、講演していただきました。その他の会員発表も、仲間の歯科医師の歯科医院のスタッフによる発表でしたが、実践的で非常にためになるものばかりでした。
以上のように盛りだくさんの内容でしたが、私がこの学会に参加させていただいた10年前とは、cadcam学会の要望や内容も大きく様変わりしてきています。数年前は、認可されていたiOSはセレックのみでしたが、今や国内に数多くのiOSが認可され使用できるようになりました。またそれぞれの精度や使いやすさも格段に向上しています。その結果、cadcamと言えば、技工士と一緒にクラウンやブリッジを作っている道具、といった考え方から、スタッフ全体を巻き込んで、カウンセリングや、矯正治療など、デジタル技術を様々な用途に使用できる時代になりました。
また、最新のVR技術などを利用して、その使用範囲はとどまるところを知らぬほど広がっていく予感を感じています。
今後とも、この学会に、定期的にスタッフと参加し、知識をブラッシュアップしていきたいと思っています。また学会副会長として、ドクターのみならず、スタッフも含めて交流研鑽成長できる場を整えていきたいと思っています。
学会の前夜には、有志による懇親会も開かれ、楽しいひとときを過ごすことができました。
さらに、学会翌日の月曜日には、大阪観光方々、仲間の先生方が、合計5名当院にご訪問いただき、有意義な時間を過ごすことができました。
本年もいよいよ後半に入りましたが、ますます仲間と共に学べる環境いただけていることに感謝しつつ、学んだ知識を患者さんに還元できるよう努力していきたいと思います!
学会の様子は、Instagramにあげておりますので、そちらのほうもぜひご覧ください。