みなさんこんにちは。理事長の小室暁です。
GWも終わり、いよいよ気温も上がってまいりました。
皆さんは、よいGWを過ごされましたでしょうか?
本日は、4月末の私の活動と、私の大学院時代の研究について、お話ししたいと思います。
先日、昭和大学の口腔生理学講座教授、井上富雄先生の退任記念祝賀会が、東京のホテルオークラで盛大に行われ、出席してまいりました。
井上先生は私が大学院時代の、上司にあたる先生で、研究だけでなくプライベートまで、当時、素晴らしい時間を過ごさせていただきました。
私は、平成8年に大阪大学歯学部を卒業したあとすぐ、母校の口腔生理学講座で、研究活動をしつつ、歯科治療を研鑽しました。当時は、森本俊文名誉教授が主幹されており、井上先生は講師として、活躍されていました。今振り返ると、当時の教員の先生方や先輩方は、全員教授として活躍され、後輩たちも、何名も教授として活躍されるなど、非常に人材豊富で、活気のあふれる講座でした。教員の先生方も、研究分野は違えど、お互いにコミュニケーションをとっておられ、非常に恵まれた環境で研究をさせていただいたと今でも感謝しています。
井上先生は、その後昭和大学の教授として招聘され、ご自身の研究を大きく発展され、教育にも力を入れられ、この度退官をむかえられました。
大学院生から見ても、当時の井上先生は非常にストイックで、誠実に、研究に打ち込まれておられる姿が印象的でした。一方、深夜、研究が終わる時、時間が合えばよく阪急の駅まで先生を車でお送りしたのがよい思い出です。その道中、色々雑談させていただいたのですが、最初は少し緊張しましたが、実験の時とは打って変わって気さくに話して下さいました。井上先生からは、卒直後の大事な時期に、仕事に向き合う姿勢、オンオフの切り替えをご教授いただいたことは間違いありません。
大学院卒業後、頻繁にお顔を拝見する機会が少なくなりました。それでも、仕事で大阪に来られた折、私の診療所に顔を出してくださったり、私自身が日本口腔インプラント学会での仕事が増えてきますと、昭和大学の先生方との交流も増え、そのたびに井上先生の近況などをお伺いする機会も多くなってきました。その度いつも、大学院時代と変わらぬ先生のブレない誠実さを垣間見るエピソードばかりで、いつも自分の原点に戻った気持ちにさせられます。
祝賀会当日は、まずは、ご自身の研究の歩みを講演され、そのあと、懇親会へと移りました
大学院を卒業した後、私は臨床を主にすることになりましたから、どうしても疎遠になった先生もおられました。そういった当時の懐かしい仲間とも再会することができ、感激しました。20年の時は長く、皆さん、大学の教授や歯学部長など、活躍されています。
また、講演では、私も取り組んだ研究内容も、ご紹介いただき、懐かしい気持ちになりました。
講演では、私が大学院時代に取り組んだ研究も取り上げていただき、懐かしく、また感激しました。
私は、大学院時代は、”咀嚼運動の中枢神経での調節機構”、と言う一見、難しい内容の研究をしておりました。その内容については、以前ブログでご紹介いたしました。
私は、主にウサギを使って、ウサギの実際の顎の動きを研究していましたが、井上先生は、同じテーマについて、動物の脳を実際に取り出して、細胞単位で研究をされていました。細胞を取り扱うだけに、非常に機材も高額で、テクニック的にも難しく、実験系を安定させるために、非常に苦労されたようです。ときには、オーストラリアにもいかれて、実験手技をマスターされたようです。最終的に、いろいろな人との出会いや、幸運も重なって、先生の研究は大きく発展されていたことを知り、後輩として非常に感激いたしました。研究も、時代とともに、方法を変え、いろいろな角度からアプローチして、全貌がわかるようになるのだと改めて感じ入りました。
臨床も、1人の患者さんの治療をするために、虫歯治療から、歯周病、歯列矯正、インプラント、入れ歯など、様々な方面から検討を加え治療方針を決定する場合があります。当院も、その精度を高めるために、各分野で専門医を配置できるよう、常に努力しています。
医院運営も、治療だけではなく、人材の育成や、学会の活動など、様々な角度から常に検討して始めて、良いものになっていくのだと思います。
何事も、視野狭窄に陥らず、できるだけ広い目で見つめ直して、歩んでいかなければいけないと思いました。
最後に、井上先生は4月から京都にて衛生士卒前教育に携わられるとのことです。お会いできる機会も増えるのではないかと思います。当院からも、インプラントや矯正の講義を受け持たせていただく予定です。これまでのいろいろな人とのご縁に、感謝!