こんにちは、理事長の小室暁です。
先週末、日本口腔インプラント学会、関東甲信越支部大会が、長野県松本市にて行われました。

私は、学会の認定歯科衛生士専門講座にて、講義を仰せつかっており、出席させていただきました。
大会長、副大会長とも、私が日本口腔インプラント学会の委員会にて、日頃非常にお世話になっている先生方であり、非常に光栄に思い参加させていただきました。

題名は、”歯科衛生士に必要なデジタルデンティストリーの知識”、と言うものでした。

近年、普及が多いに進んでいる、イントラオーラルスキャナ(歯を、粘土のような印象材ではなく、光を使って取る道具)などを中心に歯科治療にまつわる様々なデータをデジタルデータ化して、それを利用して、歯のかぶせ物やインプラントのサージカルガイド(シミュレーション通りに、手術を安全に行うためのマウスピースのような道具)などを作成する技術が急速に進歩しています。

これまでは、このような ”ものづくり” のために、主にデジタル技術(CAD CAM技術)が使用されていましたので、どちらかと言うと歯科医師や、技工士が主に知っておくべきこと、といった印象がありました。

しかし、コロナ禍と言う事情も後押しして、最近では、デジタルデータも歯だけではなく、顔面のデジタルデータや顎の動きまで、デジタルデータ化できるなど、非常にデジタルデータの種類も複雑になっています。また、それらを組み合わせて、診断分析するソフトも進化し、かつそれらを使って、患者さんへ説明をすることも増えており、デジタル技術を使用した、衛生士さんの仕事も、非常に増えてきたと感じています。

当院でもイントラオーラルスキャナを駆使し、患者説明をする際には、ドクターよりも衛生士さんやトリートメントコーディネーターの方の方が、数段上手だったりします。
口演では、このような現状とデジタル技術を扱うにあたっての落とし穴、注意点について、細かく講演させていただきました。特に、インプラントの診断分析から、手術、被せ物作成までの流れを、詳しく説明させていただきました。

デジタル技術に関する講演は、普段は歯科医師に対して行うことが多く、歯科衛生士さんに向けて、どのようなお話をすれば良いのか、最初は戸惑いました。
しかし、講演スライドを作る途中で、歯科医院における歯科衛生士さんのデジタル技術の活用について、私自身、より考えが整理されたような気がしました。
ついつい、話が難しくなったり、早口になったりしがちな私ですが、なんとかご参集いただいた衛生士さん、またウェブにて視聴された衛生士さんに有益な情報が伝わればよかったと思っています。口演時間が日曜日の午後からという、非常に集まりにくい時間にも関わらず、熱心に会場に参集してくださった衛生士さんも多く、非常に勇気付けられましたし、衛生士さんの活躍の場が今後もっと広がるのではないかと期待も持つことができました。

今回は、関東甲信越支部と言う、普段とは違う支部での講演、また、松本と言う、行き慣れない土地での講演でしたので、若干緊張いたしましたが、いつも委員会等でお世話になっている先生方とも懇親を深めることができ、非常に有意義な時を過ごすことができました。
また、公演後には、私が大学院時代に非常にお世話になった松本歯科大学のM教授や、わざわざ私の口演を聞いてくださった、M先輩、その他の先生方と会食もさせていただき、非常に楽しいひとときを過ごさせていただきました。

ところで、松本は実は、妻の小室さつき先生の生まれ育った故郷です。北アルプスの玄関口で、非常に空気が澄んでおり、景色も綺麗で、美しい土地で気分もリフレッシュさせていただきました。また、本年度より松本歯科大学出身の先生とも勤務医としてご縁をいただいております。松本という土地に、随分と親しみが増しました。
昼間はほとんど時間がなかったのですが、わずかな隙を見つけて、松本城のぐるっと1周散歩させていただき、写真を撮影させていただきました。

ところで、今年になって、様々な場所に出張する機会も増えて参りました。それに伴って、日頃、ウェブにてお世話になっている先生、昔からお世話になっている先生とのリアルでの対面も増えてきました。
改めて、やはりリアルでの人のつながりはいいな、と実感した出張でした。

この講演は、当院の衛生士さんにも十分に伝え、明日からの医院の臨床に役立てていきたいと思います。
今後とも、歯科衛生士のデジタル歯科分野でも、フロントランナーであり続けたいと思っています！