インビザライン社幹部とのコミニュケーション〜 iTeroは、矯正治療のみのツールではない！

2022.10.29

こんにちは。
大阪は、ずいぶん秋めいて参りました。

また、周囲にコロナ前のように、外国人の方の姿を見る機会が増えて参りまして、様々な意味で、確実に時の移り変わりを感じております。

皆様お元気でしょうか？小室歯科矯正歯科近鉄あべのハルカス診療所理事長の小室暁です。
いつもお世話になっております。忙しさにかまけて、若干投稿が開いてしまい申し訳ございません　汗。

さて、外国といえば、コロナ前は、私も年に数回必ず海外研修に出かけ、海外の最新情報を受け取っておりました。また、ときには外国よりゲストがお越しくださり、情報交換をする機会もありました。この数年間、すっかりコミニケーションはウェブのみとなっておりましたが、私自身、年末には海外に出かけようと思っております。また、逆に、つい先日は、スイスやシンガポールより、インビザライン社のアジア太平洋地区、およびグローバルのマーケティング責任者の方々がおいでになり、当院の iTeroと言うイントラオーラルスキャナの使用方法の現状について、意見交換をいたしました。

iTeroとは、これまでは、印象材と言う粘土のようなもので、歯型をとっていた代わりに光によって歯型を取る、いわゆるイントラオーラルスキャナの代表格として有名です。

インビザライン社は、マウスピース矯正のトップブランドであり、iTeroはインビザライン社が販売しているものなので、これまでは、歯並び矯正のみに使うスキャナであると、専門家である歯科医師の中でも認識されていました。

しかし、この iTeroと言う機械は、非常に撮影が簡単で、お口全体の歯並びもわずか2、3分で撮影でき、かつ精度も高いので、我々が日頃行っている、一般診療にも応用できるアイテムです。当院では、いち早く、専門的にアイテロを矯正のみならず、他の分野にも活用しており、矯正以外での iTeroの活用について、色々と意見交換を求められ、有意義なディスカッションを行いました。

当院のiTeroの矯正以外での使用方法は、以下のようになります。

1.セラミック治療への応用

セラミックのかぶせ物や詰め物を作るときに、削った歯の型取りは、矯正よりも精度が数段高いものが求められます。しかし、iTeroには、補綴モードと言って、撮影したい部分だけ非常に細かく情報を得るモードがあり、そのおかげで、当院でも積極的に精密なセラミック治療にiTeroを使用しています。
当院で使用している、セラミックのミリングマシンのセラミルや、3Dプリンターとの相性も非常に良く、当院で使用している他のイントラオーラルスキャナとの使い分けも含め、ディスカッションさせていただきました。

2.インプラント治療への応用

インプラント治療では、より正確な診断と治療を行うために、当院では、全症例において、歯並びの情報とCTの情報等を、デジタルデータとして重ね合わせて、専用の診断ソフトに落とし込み、診断をしています。歯並びの情報を取るときに、当院では積極的にiTeroを使用しており、それによって、矯正治療をした後に、インプラントを埋入するためのシミュレーションなども容易になっており、非常に便利なツールだと思っています。
当院では、矯正も専門医による専門的な治療を行っているため、インプラントと、矯正を組み合わせた治療が最近増えており、そのような場合での有用性をディスカッションしました。

3.入れ歯治療への応用

当院では、入れ歯の治療にも、iTeroを使用しており、特に、治療前の入れ歯の情報をデジタルデータで残したい時など、非常に有用であることもディスカッションいたしました。

4.カウンセリングへの応用

そして、何より、iTeroは、患者さんとの情報共有に非常に有用なツールだと感じています。
現在、当院のパートナー衛生士で当院を卒業した後、インビザライン社に勤めていた、北田万尋さんも議論に加わり、衛生士の立場からもiTeroが、カウンセリングに有用であることを熱心にディスカッションされました。

5. 外注技工

当院は、歯科技工の法人を通して、外部の歯科医院様より技工を受けつけております。主に、ジルコニアなどのセラミック技工ですが、データは全てデジタルでやりとりしており、非常にスムーズに高品質の技工物のやりとりを行うことが出来ます。その時、iTeroのプラットフォームは非常に扱いやすいので、技工士の立場からも、可能性を広げています！
詳しくは、こちらをご覧ください！

私は、講演等で、イントラオーラルスキャナは、単にかぶせものを作る道具ではなく、すべての歯科治療におけるインフラのようなツールであるとお話ししています。お口の中をデジタルデータで残すことで、様々な可能性が広がるわけで、今後も、iTeroも含め、イントラオーラルスキャナの様々な可能性にチャレンジしていきたいと思っています。

アイテロは、矯正治療だけのツールではない！

矯正治療もマウスピース矯正だけが全てではではなく、ワイヤー矯正や、場合によっては外科矯正も含めて総合的に考える必要があります。
つまり、道具や治療法を狭い範囲で規定せずに、いつも様々な可能性を考慮することが大事だと考えています。

チャレンジするために、イマジネーションは必要で、日本国内の様々な先生方の取り組みを参考にする事はもちろん、やはり今回のように、グローバルに目を向けコミニケーションを取る事は大事なことだと改めて思いました。

ゲストの方とは、スイスやシンガポールでの再会を誓いました。
ですので、再び、海外にも目を向けつつ、コミュニケーションをとり、学び、得た情報を患者様に還元していきたいと思っています。