理事長の、小室暁です。
本日、スタディーグループ日曜会にて、デジタルデンティストリーについての、講演会をさせていただきました。
スタディーグループ日曜会は、1988年設立と言う、非常に歴史ある研究会です。主に大阪阿倍野区の地元の歯科医師、技工士にて構成されるスタディーグループで、定期的に、テーマを決めて勉強会をされております。今回は、私の大阪大学の大先輩の、久島文和先生と、そのご子息である、久島和彦先生にご推薦いただき、講演させていただく運びとなりました。お二人の先生は、矯正を専門にご開業されている先生で、矯正学会認定医である妻とも、非常に普段から親しくさせていただいている先生方なので、私も非常に光栄に思い、十分な準備をして臨みました。
講演は3時間に及ぶものでしたが、
- なぜ?いま、デジタル歯科が注目されるのか?
- 最近注目されているイントラオーラルスキャナについて
- デジタル歯科臨床成功のポイント
について講演させていただきました。
1.なぜ?いま、デジタル歯科が注目されるのか?
現在、歯科医師国家試験でも毎年取り上げられ、また歯科の専門誌でも毎月のように話題に上るデジタル歯科ですが、まだまだ、どのように臨床に取り入れて良いか、わからない先生方も多いように思います。ですので、私がデジタル歯科に取り組み始めた経緯や、その歴史をお話ししながら、デジタル歯科を臨床に取り入れる重要性をお話しいたしました。
もともとは、単にセラミックの被せや詰め物を院内で、効率よく作成する、といった道具に過ぎなかったデジタル歯科は、今や、当院では、ドクターのみならず、技工士、衛生士、トリートメントコーディネーターなど、様々な職種の方が活用して、コンサルテーションや、教育や、矯正などにも使用している現状を、お伝えいたしました。また、今後の展望についても、お話させていただきました。
2.最近注目されているイントラオーラルスキャナについて
また、デジタル歯科を行うにあたって、避けては通れないキーツールである、イントラオーラルスキャナについても、自分なりに様々な知見をお伝えさせていただきました。イントラオーラルスキャナは、光を使って、お口の中をデジタルデータに置き換えるスキャナですが、現在多くの機種が、厚生労働省でも認可されています。これらのスキャナを、どう使い分けて診療していくのか、それぞれの特徴についてお話しさせていただきました。加えて、イントラオーラルスキャナが、万能ではなく、その限界もわかった上で使用しなければいけないことも、お伝えいたしました。
3.デジタル歯科臨床成功のポイント
最後に、デジタル歯科診療をするにあたって、日常臨床で重要な点はを削る技術や、スキャンをする技術、また、接着と言って、かぶせものと歯を科学的に結合させ一体化させる技術について、重要なポイント、コツのようなものをお伝えいたしました。
日曜会は、来年35周年を迎えるような、歴史ある研究会であり、また、久島先生のリクエストもいただきまして、今年80周年になる小室歯科の歴史も、古い写真を交えながら、色々とスライドを作成して説明いたしました。スライドを作成する途中で、つくづく、私はもちろんのこと、初代院長である小室史郎や、2代目院長である小室智が、地元阿倍野の社会や、先生方にお世話になってきたかと言うことを、再確認させていただく良い機会になりました。
また、ビジターとして、私が入局した当時、当院の勤務医としておられ、まだ右も左もわからない私を教育してくださった先輩も講演を聞きに来てくださり、非常に身が引き締まる思いもしましたし、嬉しくも思いました。
ここ数年、デジタル歯科について、学会や、歯科医師会、スタディーグループなどで講演させていただく機会も増えて参りましたが、本日ほど、人のつながりや、歴史を感じさせる口演はありませんでした。最新のデジタル技術といえども、長い歴史の上に、成り立っているのだと言うことを感じましたし、この技術を、90年、100年と発展させていきたいと改めて思った1日となりました。
改めて、今回講演の機会を与えていただきました、日曜会の会長の家崎勝生先生を始め、役員の先生方に御礼申し上げます。