この11月1,2日。シンガポールにてISCD国際セレックトレーナー資格の新規取得及び更新に伴う2日のセミナーが行われました。 私が属する日本臨床歯科CADCAM学会は、このISCD(intetenational society of computed dntistry、 国際デジタル歯科学会)の日本支部に当たるものです。今回のコースは、世界中の支部から、仲間が集まり、今後各国の支部でCADCAM教育、臨床をするにあたって指導的な働きをするための知識、スキルのアップデートを目的としています。講義、ワークショップが二日間に渡りビッチリと行われ、全て英語で行われます。最後は、ペーパーテストが行われ、合格すれば更新となります。結果は、合格をいただき、写真のように、合格証を頂き、今後2年間、改めて認定国際セレックトレーナーとして活動出来ることとなりました! 私は初めてこの資格を取得してから6年経ち、もう3回目の更新となります。2年前の北京で行われたコースの内容から比べて、今回は新たに発売されたセレックプレミアスキャン、3Dプリンター、セレックガイド3(インプラントのサージカルガイドのシステム)など、様々な新しいトピックがあり、改めてデジタルデンティストリーの進歩の速さを感じさせられました。初めて資格取得した時には、どれもまだ、“今後伸びるかもしれない“ ぐらいの紹介しか無かった内容ですが、今やセレックを使用して、セレミックを削って詰め物やかぶせ物を作成するだけでは無く、様々な用途に、様々な方法で使用することが当たり前になりつつあるということです。 また、これまで、セレックといえば、歯の光学印象からセラミックブロックの削り出しまでを自院で、しかも短期間に出来るということが大きなコンセプトでしたが、近年では、歯型取りしたデータをスキャンした後の、シロナの矯正システムやインプラントシステムなどとの連携や、他社の様々なシステムとの連携を意識した、データ共有のシステム構築のセッションが設けられ、セレックシステム自体のコンセプトの大きな変化を感じ取ることができました。 要は、今後、デジタル診療がより様々な用途に使われ、また、様々な作られ方をしていくということです。特に、これまでは難しかった、お口全体の歯型とりが容易になってきた結果、気軽にお口全体の歯型をとって、それを患者さんに手軽にみていただける、そんな時代になりつつあります。これまでは、お口の写真をとって、カラーで患者さんにみていただいていましたが、口腔内スキャンですと、立体視でき、かつ色々な方向から見れます。特に患者さんへのコミュニケーションへの応用、矯正分野への応用は、今回のセミナーでも強調されていたところですので、当院でも今後とも伸ばしていきたいと思っています。 ところで、シンガポールは、非常に近代化された都市で、有名なマリーナベイサンズを始めとして高層ビルが立ち並び、夜ともなると、美しくライトアップされます。また、研修後に仲間と食べる食事は格別で、流石に中華系の国だけあって、日本人にも大満足の味でした。また、講義中、最終日の終了祝賀パーティーには、日本だけでなく、メキシコ、ブラジル、シンガポール、南アフリカなど、多くの国からの参加者と話をし、情報交換もする事が出来ました。毎回お会いする外国の参加者もおられ、自然と知り合いも増えてきました。これも楽しみの一つだと考えています。同じようにセレックを始めとするCADCAMを使っていても、保険制度や国の状況により、規模や診療の仕方が違う、改めて歯科医療の奥の深さを感じました。
2019.11.03