先日、インプラント埋入した患者様の、インプラントのかぶせ物の形取りを行いました。インプラントは、通常、インプラントは、歯の根の部分にあたるフィクスチャーと言う部分を骨に埋め込む手術を行い、それが骨に生着した後(オッセオインテグレーション)、改めてかぶせ物の歯形取りを行います。これまでの方法ですと、非常に特殊な道具を使い歯型取りを行うため、歯科医や、技工士の間で、作業している間にズレが起こったり、ゴムのような材料を使ったりするので患者様に不快な思いを与えたり、必ずしも快適なものとは言えませんでした。また、最近では、インプラントのかぶせもの作成は、すべてデジタル上で行っており、型取りだけ今はアナログで行っていることに、違和感がありました。
しかし最近では、インプラントの型取りにおいても、かぶせと同じように、セレックなどのイントラオーラルスキャナで行うことにより、非常に作業が簡略化されるようになってきました。また精密に行えるようになってきました。具体的には、インプラントのフィクスチャーに、型取り専用のアタッチメントのようなものを取り付け、それをセレックで読み取ります。その中には、インプラントの種類や、大きさ等の情報が全て詰まっており、デジタルデータとして正確に型取りができるようになっています。そのデータを利用して、当院の技工士が、かぶせものを作成していきます。また、かぶせ物とフィクスチャーの接合部など、非常に細かい調整が必要で、しかも、チタンと言う、非常に硬く加工のしにくい材料を使う場合は、当院で設計した上で、デンツプライ社と共同で作成していきます。これをアトランティスシステムというのですが、このようにしてまさにオーダーメイドのかぶせものが、比較的安価に作成できるようになってまいりました。当院では、院内技工士が、その他の部分は並行して作成してくれているので、完成までの時間も、非常に短縮できています。
先週、患者様にセットしましたが、ほぼ調整することなくストレスなくセットすることができ、非常に満足いただけたと自負しています。その方は、大変お忙しくかつ遠方から帰っていただいている患者様なので、余計にメリットを感じていただけたと感じています。
このように、インプラントに関しては、術前の設計、サージカルガイドの作成から、型取り、作成まで、全てデジタルで出来るようになってきております。このような工程を、院内技工士も含め、全て自院で完結出来るシステムを持っている小室歯科近鉄あべのハルカス診療所は、その強みを生かして、より患者さんに、安心、安全なインプラントを提供できるよう、努力していきたいと思います。