先週末、役職を務めさせていただいている、日本臨床歯科CADCAM学会関西支部の例会が、行われました。
今回のテーマは、いくつかのテーマがありましたが、まずは、金属アレルギーについてのお話がありました。今回の公演では、名古屋から、歯科での金属アレルギーの臨床の、日本での第一人者とも言える押村憲昭先生に、お話を伺いました。歯科では、いまだに金属にある詰め物やかぶせものがよく使われます。また、すでにお口の中にもたくさんの金属が入っている方が見られますが、近年、それらの金属が原因のアレルギーが、大きな問題となっています。押村先生によると、頻繁に歯科で使用される金属について、テストをすると、約4分の1の方になんらかのアレルギー反応が現れるそうです。当院でも、金属についてのアレルギーを主訴にしたり、金属の味がする、といった主訴があったりする患者さんが、近年では増加傾向にあるように思っています。意外と、お口の中だけでなく、手や足の皮膚症状も、お口の中の金属が原因であることも多いのです。
しかし、それらの治療において、どのような診断において金属を外す診断を下すのか、またアレルギーがあるかないかのテストをどのように行うのか、系統だったお話を聞ける機会は少なかったように思います。
このたび押村先生は金属アレルギーの診断や治療について、非常に系統だってお話をしていただきました。金属のアレルギーの検査は、患者さんにとっても、比較的時間や費用がかかるものであり、なかなか気軽にお勧めできるものではありませんが、小室歯科近鉄あべのハルカス診療所では大阪市立大学の健診センターと、連携して検査を行える体制を整えつつあります。また押村先生のお話の中で、医科でも金属アレルギーを適切に検査できるところは、意外と少ないと言うお話があり、大阪では大阪市立大学は、非常に評価の高い金属アレルギーの検診施設であることを知り、非常に勇気づけられました。
当院がセラミック治療をお勧めする大きな理由の1つに、見た目だけではなく、虫歯になりにくい、アレルギーになりにくいといった、セラミックのアレルギーフリーである性質があります。今後とも、このような”健康医療”としてのセラミック治療を、患者さんに充分理解いただける努力を続け、治療を広めて行けたらと思っております。
また、アレルギーには、金属だけではなく、我々が好よく使う、歯科用プラスチックであるレジンにもあると伺い、これも意外な盲点ですので、今後も頭の片隅に置いて、治療を展開したいと思いました。
お医者さんにかかられていても、なかなか、皮膚のお悩みが改善されないと悩みの方は、一度歯医者さんにもご相談されることをお勧めします。