先日、私、管理栄養士Ｎが阿倍野区社会福祉協議会ボランティア活動センターにて、チーム大津京の西山順博先生主催「人生会議」に参加しました。

人生会議とは、もしものときのために、自身が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組みのことです。今回はクラウドファンディングで作られた『サイ五郎さんちの人生会議』という絵本と対話カードを使って、分かりやすく人生会議を進めていきました。

まず、市民の方々を5～6人のグループに分け、対話カードを引いてもらい書かれたお題について数分間グループで話していきます。幼い頃の思い出や将来暮らしたい場所など比較的カジュアルなお題もあれば、もしものときにして欲しい治療(人工呼吸器を使ってもらう、一切の治療はしたくない etc)や回復の見込みがない状態で急変したときはどうして欲しい？など普段なかなか話せないようなお題もありました。私も参加させていただきましたが、初対面の幅広い年齢の方とお話しし、それぞれの人生観や考え方に触れて、良い刺激になりました。一人ひとりにこれまで歩んできた人生があり、大切な家族や友人がいて、それぞれの価値観が作られていると思うと感慨深いです。

「食・栄養」は、人生の最期を考える上で、切っても切れない大切な価値観の一つだと思います。

私も家族と人生会議をしてみましたが、それぞれの好きな食べ物すらはっきり分かっていなかったです。食嗜好は変わっていくものですので、親しい関係だからこそ、このような対話は大切だと感じました。
もしものときに、胃ろうにするのか、点滴にするのか、お口以外から栄養は摂りたくないのか。そのような、なかなか話しづらい話題を話し合うとても良いきっかけに人生会議は打ってつけです。
人生会議は食についての話題だけではないのですが、管理栄養士としては身体と価値観・人生観に深く関わる「食」について、これを機会に話し合って欲しいと思わずにいられません。

この人生会議の前に、「あべの天王寺認定栄養ケア・ステーション ワンスプーン」の管理者として、認定栄養ケア・ステーションとはどのような活動をしているのかやご利用方法をお話しさせていただきました。
この貴重な機会は、認定栄養ケア・ステーション ワンスプーンの役割を市民の方々に広く理解していただく良いきっかけとなったと思います。(認定栄養ケア・ステーションとは、高齢者や慢性疾患を抱える患者様など、特別な栄養ケアが必要な人々に対して、管理栄養士が栄養指導などの栄養ケアを提供させていただく施設)

「マイナス1歳から最後のワンスプーンまで」食と栄養をサポートしていくつもりですので、人生の中で「食」につまづくことがあれば、ぜひ私たち管理栄養士にご相談いただければと思います。