今月の、小室歯科近鉄あべのハルカス診療所での全体勉強会では、東京から、株式会社デンタルプレディクション代表の、宇野澤元春先生にご登壇いただき、医療メタバースの遠隔教育や遠隔治療への応用、と言う題でお話をいただきました。
題名を見ますと、非常に難しそうなお話ですが、当院が取り組んでいる、デジタル歯科、オンライン相談の未来形とも言える内容でしたので、非常に興味深く聞くことができました。
メタバースとは?
wikipediaによると、メタバース (Metaverse) は、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスを指す。日本にあっては主にバーチャル空間の一種で、企業および2021年以降に参入した商業空間をそう呼んでいる、とのことです。
遠く離れた場所にいる仲間たちと、コミニケーションを取るには、昔は電話などによる、音声しかありませんでしたが、現在はZOOMなどの、インターネット上でのコミニュケーションツールが発展してきました。しかし、これをさらに発展させて、ネット上の仮想空間内で、自分自身の分身のようなキャラクターを設定して、自由に会ったり、話したりすることができるようになってくるようです。ネット上の仮想空間を利用することで、今までよりリアルに、自由に、コミニケーションを取ることができるようになると思います。下の写真が、メタバース空間で、患者さんの模型を使って、色々とディスカッションしているところです。楽しそうでしょう?
デジタル技術を用いた、最新3Dプリンター模型
写真の、デジタルバーチャル模型は、患者さんのCTのデータと、歯型のデジタルデータを重ね合わせて作りデジタルデータ化したもので、これを使うと、これまでなかなか立体的に把握しにくかった、歯の根の中の構造や、骨の中の構造まで、より具体的に手術前に観察することができます。
バーチャル空間上で、自由に動かせ、また、歯の中や骨の中に実際に入って見ているかのような画像が得られます。しかも、このデータは、3Dプリンターにより、実際の歯の模型として、作成することができるので、診療前に、実物を手にして、議論をしたり確認したりすることもできます。
デジタルツインとは?
このように、現実の世界から収集した様々なデータを、まるで双子であるかのように、コンピュータ上で再現する技術のことを、デジタルツインと言うそうです。
仮想空間上で、デジタルデータを使って遠くのいろいろな仲間たちとディスカッションしたり、外国の先生に教えてもらったりすることができる。そのデジタルデータを、実物として、手に取って見ることができ、治療のシュミレーションや、治療するための器具を作る。そのような、仮想現実上の世界と、現実を組み合わせて、意味ある治療を作り上げていく、このような世界が、もう直ぐそこにきている事を実感しました。
若い勤務医の先生や研修医の先生、衛生士の皆さんたちも、非常に興味深く聞いてくださり、こういった新しい考え方や技術を、若い力が中心となって、どんどん活用していってほしい、と心から思いました。
ところで、宇野澤元春先生は、歯科医師であり、アメリカでの留学中に、日本の教育環境の現状を憂い、志を立ててこの会社を作られたそうです。今後ともご教授いただき、デジタル技術を用い、当院でもより良い治療や、教育を実現させていきたいと思いました。
流石に、まだメタバース上とはいきませんが、当院では、オンライン相談に力を入れております。
ありがとうございました!