あべの天王寺認定栄養ケア・ステーション ワンスプーン管理栄養士です。
10/18(金)に高齢者向けのセミナー、「健康教室~いつまでも元気でいるためには?~」を開催しました!
初めての高齢者向けセミナーでしたが、4名の方にお集まりいただけました。
内容
- フレイルって何?
- フレイルチェックをしてみましょう!
- やってみよう!健口体操
- フレイル・介護予防のためのお食事
- 栄養相談
です。
フレイルとは、身体や心の働き、社会的な繋がりが弱くなった状態のことですが、多くの参加者の方がフレイルという言葉を聞いたことがあるとおっしゃっており、今回お集まりいただいた方々の健康意識の高さを感じ、より一層セミナーに熱が入りました。
そのような健康意識の高い方々でも実際にフレイルチェックをするとフレイルの疑いのある方や、そうでなくても何らかの衰えを自覚されている方が大半でした。
一見、お元気で若々しい方でも気付かぬうちにフレイルになっているかもしれないと気付いていただくきっかけになったと思います。
私は普段、歯科医院の助手として働く機会が多いこともあり、まずはフレイルのチェック項目でもある「口腔機能」の改善についてお話ししました。
日々、栄養指導をしていて感じていたのは、口腔機能の重要さです。摂食・嚥下機能に合わせた食事の提案や工夫をお伝えすることはできますが、やはり口腔機能が保たれており、食べたいものをストレスなく食べられる状態が低栄養や要介護を防ぐことの一番の要素ということです。
口腔機能が低下し、食べられない状態で何とか食べ、健康を取り戻すのは、対象者ご自身にとってもなかなか大変なことです。
食べたいものが食べられないという対象者さんにとって辛い期間を短くし、要介護にならないためにオーラルフレイル(お口の虚弱)に早く気づくことが重要です。
今回の健康教室でお口の体操「健口体操」を実施し、パタカラ体操を実際にしたり、あいうべ体操をご紹介したりしました。
体操の意味をお伝えし、参加者の方々と体操で声を出したこともあり、健口体操を楽しんでしていただけたと思います。
その後のイベントアンケートでも健口体操がご好評でした!
健口体操をしようと考えたのは、阿倍野ケアハウス様で阿倍野区保健師さんが行っていたレクリエーション「いきいき百歳体操」を見学したことがきっかけです。
実際に身体を動かすことで、座りっぱなし・聴くのみの講義より参加者の方々の緊張がほぐれ、質問もしやすいようにお見受けし、私も取り入れてみようと思いました。
結果、ご好評いただけて良かったです。
次に、フレイル・介護予防のお食事についてのお話。
お伝えしたいことはたくさんありましたが、以下の3つのポイントに絞ってお伝えしました。
- 1日3食しっかり食べる
- 1日2回以上、主食・主菜・副菜を組み合わせる
- いろいろな食品を食べる
これらは、幼児から現役世代の方にも意識していただきたいポイントですが、ご高齢の方には特に大事になってきます。
ご高齢で体調が優れずお食事が用意しにくかったり、独居でお食事の用意が面倒であったり、簡単に食べられるもので食事を済ませてしまうことが多いです。
1日3食、欠食しないということを目標に、簡単でも栄養をたっぷり摂れる方法をお伝えしました。
自炊できる環境や技術がない方もいらっしゃると思いますので、お惣菜やコンビニでも活用できる食事の選び方もご紹介。
②の1日2回以上、主食・主菜・副菜を組み合わせる というポイントもハードルが高いと感じられるかもしれませんが、少しの工夫とアイディアでフレイルや介護を予防できる食事に変えることができます。
その後の栄養相談のコーナーでもフレイル予防を意識した質問が多く、皆さんのお食事に関する意識を変えられたかなと思います。
最後に管理栄養士による個別の栄養相談を実施しました。管理栄養士になって1~2年目の後輩達も臆せずに栄養相談を行っていました。後輩達の回答を聞いていると参加者の方に親身に向き合い、楽しそうに答えており、参加者の皆さんも満足されていたようでした。栄養学的な正しさを学校で習ってはいても、食というものは人間の生活なので、正解は千差万別にあると日々感じています。その人に合った正解を見つけなければならないところが栄養指導の難しさです。参加者さんの色々な悩みと後輩達の回答を聞いていると、そのような悩みがあり、答え方の引き出しがあるのかと気づけ、私も勉強になりました。このように、栄養相談の場数を踏むことが、最も管理栄養士の成長に繋がると実感しました。
今回、健康教室を行おうとしたのは、年内に市民向け健康教室のご依頼をいただいたことがきっかけの一つです。やってみて良かった点も反省点もあるので、この健康教室をさらにアップグレードして皆さまに提供していきたいです。