金属床
保険適用のレジン素材の入れ歯は、強度の問題からある程度の厚みが必要になります。
この厚みは、お口の中での違和感となり、食事や会話に多少の不都合が生じることになります。熱の伝導率が悪いレジン素材の入れ歯の場合、食べ物・飲み物の温かさや冷たさを感じにくく、自然、味も分かりにくくなります。
小室歯科では、そういった問題の解決のため、金属床の入れ歯をご用意しております。強度が確保されるため、入れ歯の厚みは最小限に抑えられます。その薄さにより、喋りにくいということもありません。また、熱の伝導率もよく、温かいもの、冷たいもの、そしておいしさをしっかりと感じられます。
金属床の素材は、金合金、コバルトクロム、チタン、バイタリウムなどをご用意しており、患者様のご希望、症状、ご予算に合わせて、最適なものをご提案させていただきます。
レジン床義歯(保険)と金属床義歯(自費)の床の厚みを比較
レジン床義歯 |
金属床義歯 |
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1.7mm~2.4mm程度(床部分の厚み) 一定の強度を確保するため、ぶ厚くなる |
0.4~0.6mm程度(床部分の厚み) 材料そのものに強度があるため、薄く作れる |
レジン床義歯と金属床義歯の床部分の厚みの違いは、上記のようになっています。 引き算をすると、最大2mmの違いです。それくらいなら気にならない、と決めつけるのは早計です。口腔粘膜は指先などと比べても敏感で、たとえば髪の毛1本(0.06mm〜0.1mm)が口に入っただけで、すぐに気づき、吐き出したくなります。これは、私たちヒトにとって、異物が肌に触れるよりも、口腔粘膜と触れることの方がリスクが大きいためにできた身体の作りです。 このことから、レジン床義歯と金属床義歯の厚みの違いは、たった2mmであっても、実際に装着したときの異物感の違いは、かなり大きなものとなることが分かります。
金属床の特徴は?
- 薄く快適
レジン床の約3分の1の薄さが可能(バイタリウム床)ですので、違和感も少なく、お口の中が広く感じます。 - 温度を良く通す
熱さや冷たさも味わいのひとつです。
金属床は温度をよく伝えるのでおいしく食事ができます。 - 丈夫で、残った歯にも優しい
部分入れ歯の場合、残っている歯にバネを引っかけますが金属床の入れ歯はその残っている健康な歯にあまり負担を掛けません。 - 修理も出来ます
金属の入れ歯は修理が難しいのでは?というご質問を良く受けますが、最近の材料技術の進歩により、修理も容易に出来るようになっております。 - 清潔です
レジンは、吸水性があり、表面に細かい穴が無数にありますので、どうしても不潔になりがちです。しかし、金属はそのようなことがありませんので、常に清潔に保つことが出来ます。 - 入れ歯の歯を患者さんに合わせて選びます
皆さんが、それぞれお気に入りの髪型や服装があるように、歯にも人それぞれの年齢、性別、性格に合った色、形があります。小室歯科では、金属入れ歯を作成時に、患者さんにあった入れ歯の歯を選びますので、綺麗に仕上がります。
小室歯科では、いろいろな種類の金属を使用しております
バイタリウム(co-cr)
もっともスタンダードな材料で、ニッケルやベリリウムなどを含有していないので、生体親和性に優れています。細工がしやすいので、あらゆる顎の状態に対応できます。
- 保険の入れ歯の約3分の1の薄さ
- 細部まで強度を維持できる
- 飲食物の温かさ、冷たさをしっかりと伝える
チタン
軽く、人体に対して優しいため、最近よく使用されるようになった材料です。バイタリウムよりもさらに薄く出来るので、特に違和感少なく仕上げることが出来ます。金属アレルギーの恐れが少ない。
- 保険の入れ歯の約4分の1の薄さ
- ニッケルクロム合金・コバルトクロム合金の約2分の1の重さ
- 身体に優しい(生態親和性が高い)
- 飲食物の温かさ、冷たさを自然な形で伝える
- 金属アレルギーのリスクが低い
金合金
サビや変色がないので、金属の強さ、しなやかさを保ち、歯や歯ぐきにも優しく、入れ歯の寿命が長い。現在存在する材料の中で、最も顎にピッタリと適合します。
- 加工がしやすく、フィット感に優れる
- 身体に優しい(生態親和性が高い)
- 口腔内でさびにくい
- 金属アレルギーのリスクが低い