口臭
人と喋っている時に、時にきになる口臭。最近は、エチケットとして、口臭を気にされる方も多くなって来ました。その口臭の原因と治療法をお伝えします。
原因
口臭の原因として、硫化水素やメチルメルカプタンなどの「揮発性硫黄化合物(VSC)」が挙げられます。私たちの口の粘膜などが剥がれ落ちた垢のようなものが、舌の表面に溜まり、舌苔(ぜったい)となります。
口臭の6割程は、舌苔から起こると言われています。また、歯周病菌は、メチルメルカプタンという、悪臭を放つ物質を放出しますので、歯周病は、口臭の原因となっています。
口臭の分類
【生理的口臭】
起床時、緊張時、空腹時、月経時、加齢、喫煙によって発生する口臭です。
【病的口臭】
- お口の中の病気(むし歯・歯周病等)による口臭
- 入れ歯、詰め物・被せ物の不具合による口臭
- 唾液分泌量の低下によって発生する口臭
- 内臓が原因の口臭
- 蓄膿症が原因の口臭
治療法
【生理的口臭】
多くの場合、起床後の洗口や、歯磨きにより、解消されます。
また、当院では、次亜塩素酸の洗口液も併用し、口臭予防に効果を出しております。
【病的口臭】
それぞれ原因となっている病気の治療や、修復物の交換・修復、唾液分泌の改善などにより改善が見られます。
口内炎
口内炎とは、口の粘膜やその周辺に引き起こされる炎症のことです。
知らない間に、お口の中に出来ていて、痛く、集中力もかけがちになる、嫌な存在である口内炎。多くの場合、”まあ、そのうちに治るか”、という感じで放置される事が多いのですが、原因や、治療法は様々です。
原因
口内炎とは、舌、歯肉などの粘膜に生じる炎症反応です。疲れたとき、免疫力が低下しているとき、口内の傷口などをきっかけとして発生します。
1、アフタ性口内炎
ごく一般的な口内炎で、単独や、複数、白いアフタとなって存在する白い潰瘍です。大きさも、様々ですが、多くのものは、数日から数週間で消えて無くなります。
再発する事もありますが、そのときは、再発性アフタと言います。
なかなか治らない時は、全身的な疾患が伴う事も有りますので、軽視は出来ません。
2、入れ歯や矯正装置が原因のもの
入れ歯のばねや、矯正治療のワイヤー、虫歯の尖ったところなどが、粘膜に当たると、傷になって、口内炎になります。
3、ヘルペス性の口内炎
ヘルペスは、神経の中に潜伏し、口内炎を発症します。
4、カビの一種である、”カンジダ菌”が原因のもの
カンジダ菌は、お口の中に常に存在する常在菌ですが、免疫の低下、お口の乾燥、抗生物質やステロイドなどの薬品の長期間の服用など、体のバランスが崩れることによって、発症する事があります。
お口の粘膜だけでなく、舌にも広がる事が特徴です。
5、金属アレルギーが原因のもの
被せ物、詰め物、入れ歯には、多くの金属が使われています。それが直接粘膜に接触したり、お口の中にとけ出したりして、口内炎の原因になります。
治療法
レーザー照射
アフタ性のものは、レーザー照射により殺菌し、炎症を改善します。ほぼ痛みなく受けていただけます。
薬物療法
患部に抗生物質などの直接炎症を抑える薬を塗ったり、サホライドなどのタンパク質を固める薬を塗ります。
口内のメタルフリー化
詰め物、被せ物など、金属を原因として起こる口内炎には、それらをセラミックなどの身体に優しい素材に交換すれば、症状が改善します。
細菌やウイルスなどの原因除去
ヘルペス、カンジダなど、細菌やウイルスが原因のものには、投薬、お口の清掃などで原因除去をしていく必要があります。
予防
口のなかを清潔に保つ
口内炎の多くは、お口の中の細菌が関係していますので、日頃からお口の中を清潔に保つことは大事です。日々のブラッシング、歯科医院でのケアー、不適合な被せ物の除去、虫歯の治療など、効果的な洗口など、色々と日頃から行えることはあります。
また、義歯の周辺や、舌など、気づきにくいところにも、細菌繁殖は起こりますので、注意が必要です。
口の乾燥を防ぐ
唾液は、口の中の細菌を洗い流す役割がありますので、お口が乾燥していると、細菌が増殖しやすくなります。
乾燥する原因は、加齢による唾液の減少、全身疾患に関係すること、口呼吸など、色々な原因がありますが、それぞれの状況にあった治療が必要かと思います。