BPSシステム「Biofunctional Prosthetic System(生体機能的補綴システム)」とは?
「BPS」とは、Biofunctional Prosthetic System(生体機能的補綴システム)の略で、「よく噛め」「痛くなく」「外れない」「美しい」入れ歯を作るためのシステムです。
このシステムによって作られた入れ歯を、「BPS義歯」と言います。
通常、入れ歯を作るとき、上の顎と下の顎から別々に型取りをします。BPS義歯は、口を閉じた状態で、上下の顎の型取りを一度で行います。このことで、噛むときに複雑な動きをする口の中の動き方を正しく捉え、患者様一人一人のお口の動きに合った入れ歯が作れるようになりました。
また、入れ歯の製作工程がシステム化されており、歯科医と歯科技工士の間で必要なコミュニケーションが効率化されたため、ご希望を正確に反映された入れ歯を短期間で作れるようになったことも、BPS義歯の大きな特長です。
BPS義歯の製作工程
1回目
セントリックトレーという道具でおおよその咬み合わせを調べます。
アキュデントシステムという道具で、顎の型をとります(概形印象)
*これを利用して、技工士が咬合器に模型を装着し、精密な顎の型とりの道具(個人トレー)、及び顎の噛み合わせをとる道具(ナソメーターM)を製作、装着します。
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セントリックトレー
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BPSで使用するストラトス咬合器
2回目
個人トレーを使い、機能印象(精密印象)
ナソメーターMにより顎の精密な位置関係採得(ゴシックアーチ描記)
患者さんとお話ししながら、患者さんにあった大きさ、形、色の人工歯を選びます。
*これを受けて、技工士が再度咬合器に装着します。
3回目
蝋で作った義歯の試適、咬み合わせの位置の確認
服で言う試着を行います。
4回目
完成義歯の装着
必要に応じて調整
BPS義歯のメリット&デメリット
メリット
来院回数が少ない
BPS義歯は、本来であれば、2回に分けて行わなければいけない、歯型と、噛み合わせの型取りという、入れ歯で言うと一番大事な工程を1階の来院で済ませることができるので、来院回数を少なくすることができます。
使用器具や、技術が規格化されている
規格化された専用の道具を使用するため、一つ一つの工程は、非常に精密に行うことができます。また、規格化されているため、歯科医師による出来栄えの差が少なくなります。
一つ一つの工程は、目新しい理論や材料を使用しているわけではなく、これまで何十年もかかって蓄積された、基本的な入れ歯作成の理論に基づいているので、非常に安心して行うことができる治療であることもメリットの1つです。
美しい
もう一つの大きなメリットは、入れ歯の表面の部分のレジンに至るまで、非常に見た目が美しい入れ歯を作ることができることです。
デメリット
一部、外部に技工をお願いする工程が絡むため、費用がレジン義歯にしては、高額なことです。
主なリスク・副作用
- 保管時、取り扱いを間違えると変形することがあります。
BPS国際ライセンスとは?
義歯は、歯科医師の技術と、技工士の技術が合わさって初めて良いものができます。
当院では、BPS国際ライセンスを取得したドクターだけではなく、技工士も常駐しており、これは、全国でも多くはありません。
また、技工士が院内に常駐していることにより、常にドクターとコミュニケーションをとりながら仕事出来るだけでなく、ステップごとに患者さんと直接お話しして、ご希望を伺うことができます。
BPS義歯の費用
BPS義歯は、主に総義歯に使用され、およそ40万円の費用がかかります。