何十年前から歯が欠けているのが気になっていた、ケガや事故などで歯が折れてしまったと当院にご相談に来られる方も少なくありません。特に前歯となると、見た目的にも笑った時に目立ってしまうので、「キレイにしたい」と思う方が多いようです。
欠けた歯、割れた歯では、当然のことながら、正しく噛むことができません。また、隙間で細菌が繁殖し、虫歯リスクが高くなります。痛みがあるときには、象牙質が破壊されていることもあります。尖った歯の先が口腔内を傷つけ、口内炎の原因になることも。
これらの症状が現れると、治療期間が長くなり、費用もかさみます。欠けた、折れたときには、早急に歯科医院を受診するようにしましょう。
原因
外傷によるもの
転倒、スポーツ中の衝突、交通事故、喧嘩などで、前歯が欠けたり折れたりすることがあります。
虫歯によるもの
虫歯が進行すると、歯がもろくなります。特に歯髄にまで虫歯が進行した歯は、栄養が行き届かなくなり、欠けやすく、折れやすくなります。
歯ぎしりや噛み合わせによるもの
歯ぎしりでは、日中では考えられないような強い力で上下の歯が擦れ合っていることがあります。ヒビが入るなどして、もろくなることも。また、咬み合わせが良くない状態を放置すると、歯に歪んだ形で負担がかかり、欠けたり、折れたりすることがあります。
硬いものを噛んだことによるもの
食事の際に、硬いものを噛んだことで歯が欠けたり、折れることがあります。
治療法
欠けた・折れた部分が少ない場合①:ラミネートべニア
ラミネートべニアは、ホワイトニングが効果を示しにくい場合や、短期間で歯を白くしたい場合だけでなく、歯の形を多少整える際にも使用されます。欠けた・折れた部分が少ないのであれば、ラミネートべニアが適応になることがあります。
歯を薄く削り(削らない場合もあります)、薄く加工したセラミックを貼り付けます。短期間で治療を終えられることが特徴です。
欠けた・折れた部分が少ない場合②:ハイブリッドセラミック
欠け方、折れ方によっては、ハイブリッドセラミックによる修復で対応することもあります。
費用を抑えながら、天然歯に近い審美性を取り戻すことができます。また、ハイブリッドセラミックは適度な摩耗性を持つ材料であるため、咬み合う歯を傷つけません。
欠けた・折れた部分が多いが歯根を残せる場合:ガラスセラミック
大きく欠けた、折れて大部分を失った歯は、ガラスセラミックやジルコニアの被せ物での対応となります。
天然歯と見分けがつかないほどの審美性と、優れた機能性を併せ持ちます。汚れが付着しにくく、自然な白さが長持ちします。
前歯が欠けた、折れた場合には、その状態によって治療法が異なります。セラミック治療以前に再接着が可能なこともありますので、欠けた・折れた歯の破片を生理食塩水や牛乳、または水に浸してお持ちになって、できるだけ早く歯科医院を受診してください。