素敵な笑顔は、美しい口元から
例えば話すとき、笑うとき、食事をするとき、歯の美しさで相手に与える印象はずいぶん変わります。ファッションやヘアーメイクでどれだけ装っても、口元にコンプレックスがあっては、その魅力も半減してしまいます。
そんな口元の大切さを知っている欧米では、昔から白く美しい歯を大切にしてきました。そして日本でもようやく、肌やヘアースタイルのように歯への関心が高まってきました。
“歯を治療する”から“歯を白く美しくする”へ
審美歯科は、その人その人の顔に合うように歯を入れたり、白く美しくしたり、矯正して、顔と調和のとれた口元をつくるプラス指向の治療のことです。
当院では、セレックシステムと言う、ドイツ生まれのCADCAMセラミックミリングシステムと、オーストリアのアマンギルバッハ社のセラミルという、最新のセラミックミリングシステムを駆使して、患者様により美しく、より健康的な、セラミック審美治療を提供しています。
当院の、小室暁院長は、デジタル歯科の国際学会であるISCD(Inteanational society of computerazed dentistry)認定の国際セレックトレーナーであり、技工士も、セラミックの扱いに熟練しており、医院全体でセラミック治療に取り組んでおります。
セラミックを全て院内技工士さんが作っている
小室歯科近鉄あべのハルカス診療所には、院内技工士が5名在籍しております。
小室歯科のセラミック治療の特徴は、セラミックを全て院内技工士さんが作っているということです。セラミックの色、形を患者さん個人に合わせて自然に作る作業は、実はすごく難しいことです。熟練した技工士さんでも何日もかかる作業です。この作業の精度を高めるためには、作る過程でドクターと患者さんと技工士さんが出来上がりについて相談する環境があるかどうかがすごく大事です。
しかし、かぶせ物を作る技工士さんが院内にいないと、写真とか、言葉でその状況を外部の技工士さんに伝えなくてはいけないので、どれほどドクターと患者さんが話し合って色や形を決定しても、どうしても”伝言ゲーム”のような感じになってしまい、微妙なずれが生じたり、そのずれを修正するのに日数がかかったりしてしまうことがあります。その点、小室歯科では院内の技工士さんが常駐しており、ドクターや患者さんがいるその場で色や形を相談し、決定していくので、想定どおりの仕上がりになりやすいです。
しかも、少しの修正であれば、その日のうちに微調整できます。小室歯科では、院内に技工士を常駐してもらうことで、このような環境を実現しております。
デジタルセラミック技工室が完備されております
小室歯科近鉄あべのハルカス診療所は、院内技工士室を設置しておりますが、すぐ近くに、別に技工室を設置しております。
その技工室に、最新のセラミックミリングマシンが設置されたことにより、デジタルセラミック技工室の骨格ができてまいりました。
この技工室には、最新のミリングマシン、セラミルが設置され、また、そのジルコニアをシンタリング(高温で焼結すること)する、専用ファーネスが設置されております。さらに、そのジルコニアに、審美性の高い、長石系のセラミックを築成するための、セラミック築成スペースも用意しております。これにより、セラミック材料であるジルコニアを様々な方法で仕上げることができる様になりました。見た目重視、強度重視、様々なご要望にお応えすることができます。
もちろん、CADCAMで、レジン(歯科用プラスチック)系、ハイブリッドセラミック(セラミックとレジンの融合した材料)系のディスクをミリングしたときのために、レジンを扱うためのスペースも、用意しております。いわゆる、ノンメタル系の材料を、最新の環境にて、技工できる環境を1カ所に集めています。また、患者さんの歯の模型をこの技工室でデジタルデータ化するだけでなく、診療室で患者さんの歯を直接スキャンをしたイントラオーラルデータや、模型データを、ネット上で共有し、瞬時に技工室で技工を行える環境も整え、診療室と一体となった、まさにデジタル歯科技工室が出来上がっております。
今後、理想の環境を求めて、まだまだ導入していかなければならない機器はありますが、まずは、この環境を自分達が使いこなしていけるよう、医院全体で研鑽していきたいと思っています。
今は、まだまだ、金属を使った技工や、石膏による模型も並行して扱っておりますが、近い将来、石膏による粉塵や、鋳造に使うワックスなどが全くない、非常にクリーンな技工室が完成するかもしれません。そうすると、技工士にとっても、粉塵を吸うことなく、非常に健康的に、しかもスムーズに技工をする環境になっていくと思われます。デジタル化の恩恵は、このようなところにも現れるのです。
ところで、この技工室からは、診療室からは当然見えない、あべのハルカスがきれいに見えます。特に、夜にライトアップされたあべのハルカスは非常に美しいと感じています。ハルカスの前の路面電車が通る道も見えますが、ほぼ完成し、緑化もなされると伺っています。このような美しい景色を見ながらセラミック技工できるのも、我々の隠れた自慢です。このような、使い勝手だけでなく、見た目も考慮した設備の設計配置を、技工士や、業者の方が一緒になって、考えてくださいました。非常に感謝しています。
セラミック治療のメリット
見た目に美しい
セラミックは、金属に比べて、白く、透明性が高く、目立たない材料です。様々なセラミックを組み合わせることで、強度と美しさを、より高度に兼ね備えた被せ物を作ることもできます。
また、金属とセラミックを組み合わせて作った被せ物(メタルボンド)にありがちな、歯と歯茎の境目が、金属のために黒く見えると言う症状も、セラミックであればありません。
アレルギーが少ない
金属は、ご存知のように、さまざまなアレルギーの原因となっており、お口の中の金属が、手や足のかぶれの原因になっていることもある位です。セラミックはアレルギー性がないため、金属の被せ物をセラミックに変えることで、アレルギー症状が無くなった例もあります。
歯茎に優しい
セラミックは、金属に比べて、表面に汚れが付きにくく、最終的に細菌が繁殖しにくい素材となっています。そのため細菌繁殖のために、歯肉が腫れたりすることが少なく、結果的に歯周病になりにくく、歯そのものが長持ちすると言う特徴があります。
色の変色が少ない
歯科用プラスチック(レジン)で作成した補綴物は、時間が経つにつれて黄色っぽく変色することがよくあります。しかしセラミックは陶器ですので、変色がなく長期的に綺麗な状態を保ってます。
虫歯になりにくい
セラミックを使用した補綴物は、特殊な表面処理をした後、レジンセメントと言うセメントで、歯と接着と言う、科学的に結合することで止めていきます。そのため、金属にありがちな、被せ物と端の間に唾液が侵入して虫歯になる、といったことが少なく、歯が長持ちすると言うデータが出ています。
当院のセラミック治療で活躍する、CADCAMデジタル治療機器
1セレック(CEREC)システム
セレックシステムは、ドイツのシロナ社製のCADCAMセラミック加工システムで、口腔内スキャナから、詰め物やかぶせ物のコンピュータ上のデザイン、そして加工まで、1連の作業がスピーディーかつ確実に行うことができるシステムです。
透明度の高い、ガラスを主成分とするセラミック(長石や、e-maxなど)は、このセレックシステムによって、削っていきます。そして、このシステムの大きな特徴は、症例によっては、削ったその日に補綴物を作り、装着まで出来てしまうところにあります。
2セラミルシステム
セラミルは、オーストリアのアマンギルバッハ社製のシステムで、非常に精密なセラミック加工作業ができることが特徴です。特に、ジルコニアと言うセラミックを加工するときには、主力となっているシステムです。
また、セレックシステムでは加工出来ない、多くの種類のジルコニアの加工ができることが特徴です。精度が高いため、多くの歯に渡る被せ物も、作成可能になっています。
このシステムでは、CramillMap400と言う模型スキャナからのデータを主に使用しますが、セレックシステムの、口腔内スキャナからのデータも、セラミルで加工することもできます。
日本で導入している歯科医院は、数件しかないほどの、最新鋭のシステムです。
3iTero Element
iTero Elementは、セレックと同様、お口の歯型を光でデジタルデータ化する、”イントラオーラルスキャナ”のひとつですが、インビザラインなどの矯正治療などで、お口全体の歯型をスキャンするのが得意です。
iteroを使用することで、インビザライン治療時に”より楽に歯型がとれ”、”より早く仕上がりの分析ができます”。 当院ではインビザラインドクターが5名、iGoドクターが1名在籍し、インビザライン治療に取り組んでいます。
また、iteroは、セラミルシステムとの連動もスムーズで、当院では矯正のみならず、院内技工士との連携により様々な用途に使いこなしているのが特徴です。
4最新のセレック設計ソフト(CAMソフト)inLabo15
小室歯科近鉄あべのハルカス診療所には、最新の最新のセレック設計ソフト(CAMソフト)inLabo15が導入されております。
セレックシステムと同じシロナ社製の模型スキャナとそのデータを利用して、様々な補綴物を作るソフトのシステムです。
このソフトは、デジタル上で、被せ物を設計するものです。
セレックと違い、お口のデータを直接スキャンするのではなく、一旦、従来と同じ様に型取をして、石膏模型にしたものを、光学スキャンして、デジタルデータ化する機械です。一般に、読み取り精度自体は、直接取るよりも正確と言われています。
しかし、一旦石膏模型にする時点で、歪が出るため、総合的には、大きな違いはなく、むしろ、直接お口を光学スキャンする方が良いと言われてもいます。
しかし、セレックは、一度に多くの歯の型を取るのは苦手なため、多くの歯のかぶせを作ったり、複雑なかぶせものを作るときは、inLaboの出番となります。
複雑な操作ができるため、主に、歯科医師というより、技工士さんが使用するソフトであると言えます。
また、このバージョンは、前のバージョンに比べ、より細かい設計ができます。例えば、かぶせ物と歯の境目の部分を、より細かく設定し、適合を良くすることが出来ます。
また、これまでは少し苦手であった、複数の並んだ歯を一度に設計することにも、ずいぶんと進歩が見られ、結果、技工士の仕事の精度の向上に大いに役立っています。
技工士さんは、それぞれ技術者としてのこだわりをもたれているので、この様なハイエンドなCADCAMソフトウェアの使用を、非常に喜んでいただいています。
面白いのは、ソフトが高度になればなるほど、色々な工夫ができるため、技工士さんがアナログで金属鋳造用のワックスで、歯の形を作っていた時の経験を生かし、上手に設計されることです。昔の経験は無駄にはならないのですね。
将来的には、より高度なインプラントの被せや入れ歯の設計にも使えます。
また、高度なミリングマシンや3Dプリンターなど、データを使用できる用途も広がり、非常に発展性の高いソフトとなっています
先日も、上の歯合計13本を一度に設計し、お口の中に問題なくセットしました。
このソフトの導入は、現状の精度の進歩と将来を見越して行ったものです。
当院は、今後も最新のソフトウェアーを駆使して、セレックのフロントランナーでありたいと思っています
小室歯科で使用するセラミック素材
ガラスセラミック
ガラスを主成分とするセラミックでセレックブロックやe-maxがこれにあたります。
本物の歯に近い強度と透明感が得られ、金属を使用しないため金属アレルギーの心配もありません。
メリット
- 変色しにくい
- 本物の歯と同様の光の透過性がある
- 金属アレルギーの心配がない
デメリット
- 割れることがある
- 本物の歯より硬いため噛み合う歯がダメージを受けることがある
ジルコニア
人工ダイヤモンドとしても使われる素材で、高い強度や自然な見た目で従来のセラミックを超えるとされています。従来のセラミックより強度が高いため、これまでオールセラミックで治療できなかった部位や、欠損にも使えます。もちろん、金属アレルギーの心配もありません。
メリット
- 強度が高く、摩耗しにくい
- 変色しにくい
- 本物の歯に近い白さを持つ
- 金属アレルギーの心配がない
デメリット
- 費用が高額になりがち
- 本物の歯より硬いため噛み合う歯がダメージを受けることがある
メタルボンド
金属製のフレームを、セラミック素材で覆ったタイプの補綴素材。金属部分は外からは見えないため見た目が自然で、強度も高いのが特徴です。ただし、金属が入っているため光の透過性はオールセラミックに比べて劣ります。
メリット
- 色が歯に似ているので見た目が良い。
- 中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。
- 中身の金属に貴金属を使用すれば、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性が低くなる。
デメリット
- オールセラミックに比べ透明感が得られにくい
- 金属によって歯ぐきが黒ずむことがある
ハイブリッドセラミック
天然の歯に近い色を出せる、セラミックと歯科用プラスチックの混合物です。
硬すぎないため、咬み合う歯を傷つけません。費用を抑えながら、一定の審美性を再現できます。もちろん、金属アレルギーの心配もありません。
メリット
- 天然歯に近い自然な白さを再現できる。
- 硬すぎないため、咬み合う歯を傷つけない
- 金属アレルギーの心配がない
- 比較的費用を抑えられる
デメリット
- オールセラミックに比べると質感が劣る
- 純粋なセラミックと比べると、着色しやすい
セラミックと他の素材の違い
セラミックと他の素材の違いを図表でご紹介します。
メタルボンド | レジン前装冠 | 金・プラチナ | セラミック | |
---|---|---|---|---|
金属アレルギー | △ | × | △ | ◎ |
治療期間 | △ | △ | △ | 〇~◎ |
耐久性 (製作物の割れにくさ) |
〇 | △ | ◎ | △~◎ |
変色 | 〇 | × | – | ◎ |
費用 | △ | ◎ | △ | 〇 |
歯の持ち | 〇 | × | 〇 | ◎ |
このようにセラミックが他の素材よりも優れていることが分かります。