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小室暁医師は、大阪市の天王寺中学校の学校歯科医をしております。天王寺中学校生への歯科啓蒙活動の一環として、学校が定期的に発行する健康便りに投稿しております。その一部をご紹介いたします。
人工的に歯を生えさせることは可能か?
天中生の皆さん、こんにちは。小室歯科近鉄あべのハルカス診療所の小室暁です。
今回は、昨年の2年生への歯科講和の際に質問があった、“人工的に歯を生えさせることは可能か?”という難しい問いについて答えます。

1つの答えは、“再生医療“です。現在世界中の多くの研究者たちが再生治療の基礎研究を精力的に行っています
皆さんは、2007 年の京都大学の山中教授によるiPS細胞の研究について覚えていますか?
これは、人の皮膚細胞から、幹細胞(これから色々な種類の細胞になっていく、元の細胞)を作成することに成功したという画期的な研究です。
歯科分野では、現在では歯の元になる細胞を条件を整えて培養すると歯の種状の組織ができる様になっています。さらにネズミではそれを顎に埋め込むとうまくいけば口の中に生えさせることができるようになりました。ここまでは本当に驚くべきスピードで研究が進んでいます。
次の課題はこれらの歯の元になる細胞を安全に取り出して保存し必要なときに利用できる仕組みができるかだと思われます 親知らずなどではタイミングを計れば細胞の取り出しが可能かもしれません。受精卵等の保存と同様に歯になる細胞の保存も可能でしょう。もしかしたら、皆さんが社会でバリバリに働くころ、自由に自分の歯を再生出来るようになっているかもしれません。
もう一つは、“インプラント”を使う方法です。インプラントとは歯のないところにチタン製の人工の歯を埋め込み、噛めるようにする技術のことです。この技術自体は、もう30年ほど前から実際の診療に応用されてきましたが、骨の状態や、全身の状態(糖尿病とか、高血圧とか)によっては、出来ないことも多かったのです。しかしこの10年ほどで、飛躍的に技術や材料が進み、適応症が広がりました。“歯が生える”とは少し違いますが、現状では一番“歯が生える”に近いと思います。私も学会の認証医で、日ごろこの技術をよく使いますが、入れ歯で苦労しておられる方などに、非常に喜んでいただけます。
いずれにしても、歯を人工的に生やさないでもよいように、“歯を失わないように”することが大事ですね。

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